ワガママ/西島隆弘

(あのひあなたにいいかけたことば)

あの日あなたに　いいかけた言葉

(わたしのなかにかくしてよかった)

私の中に隠してよかった

(うそついてないよいいわけもないよ)

ウソ付いてないよ　言い訳もないよ

(ほほにとけるゆき)

ほほに　とける　雪

(こたえのないひびもとめもしないのに)

答えの無い日々　求めもしないのに

(なみだのわけにせなかむけて)

涙のワケに背中　向けて

(いまよりかこからえがおばかり)

今より　過去から笑顔ばかり

(さがすのはどうしてかな)

探すのは　どうしてかな

(かわらないおもいとかわりゆくけしき)

変わらない想いと　変わりゆく景色

(さいごのわがままをあのひつげてたら)

最後のワガママを　あの日告げてたら

(あなたはこたえをまよっていたでしょ)

あなたは答えを　迷っていたでしょ

(みらいまだかさならなくていい)

未来まだ　重ならなくていい

(あなたがくれたふゆいろのくつ)

あなたが　くれた　冬色の靴

(ことしもわたしをきれいにいろどるの)

今年も　私を綺麗に彩るの

(だいじょうぶのあかしならべてあるけば)

大丈夫の証　並べて歩けば

(ゆきがぬらすよ)

雪が濡らすよ

(いまはどこにいるの)

今はどこにいるの？

(れんらくしなくていいよ)

連絡しなくていいよ？

(きになるのがしゅみなのはじゆうでしょ)

気になるのが　趣味なのは　自由でしょ

(でもやっぱいいそびれたことばは)

でもやっぱ　言いそびれた言葉は

(よぞらにはきえないみたい)

夜空には消えないみたい

(とどめたおもいととまらないじかん)

とどめた想いと　とまらない時間

(さいごのわがままをないしょにしてるのは)

最後のワガママを　内緒にしてるのは

(あなたはうそさえつけないひとだから)

あなたは嘘さえ　つけない人だから

(やさしさがふたりをきりさくよ)

優しさが二人を　切り裂くよ

(こたえはいわないでつたえたいだけだよ)

答えはいわないで　伝えたいだけだよ

(それいじょうはいらない)

それ以上はいらない

(だけどひとはきっとよくぶかいものだね)

だけど人はきっと　欲深いものだね

(もっともっとほしくなる)

もっともっと　欲しくなる

(かわらないおもいがふりつもるけしき)

変わらない想いが　ふりつもるけしき

(ちいさなわがままを)

小さなワガママを

(いま、つげようとしたのに)

今、告げようとしたのに

(あなたはただそっとだきしめてくれる)

あなたはただそっと　だきしめてくれる

(そばにいてのわたしを)

「そばにいて」の私を

(つつむように)

包むように

(つつむように)

つつむように