骸骨楽団とリリア

(むくちなかみさまが)

無口な神様が

(おとをすててかたむいた)

音を捨てて傾いた

(なきむしよぞらなみだぐんだ)

泣き虫　夜空　涙ぐんだ

(つきよにきかせるの)

月夜に聞かせるの

(だれもしらないうた)

誰も知らない歌

(はいいろげきじょうまどべのおりおんと)

灰色劇場　窓辺のオリオンと

(なんどだってきこえる)

何度だって聞こえる

(ひとりきりのつたないこえ)

一人きりの拙い声

(さびついたがっきがうなばらで)

錆付いた楽器が　海原で

(げんそうをかなでてた)

幻想を奏でてた

(ゆめのなかおぼえた)

夢の中覚えた

(ねいろたちをただあつめて)

音色たちを　ただ集めて

(めぶくようにつむいだ)

芽吹くように紡いだ

(ほしめぐりのうたがとどかない)

星巡りの歌が届かない

(ほら)

ほら

(うたってたってないたひとり)

歌ってたって　泣いたひとり

(うかんでまったおんがくさい)

浮かんで舞った　音楽祭

(きみはきこえるろみあろみあ)

君は聞こえる？ロミア　ロミア

(なんねんたってあえたおとに)

何年経って逢えた音に

(まほうみたいなこいをしたり)

魔法みたいな　恋をしたり

(きがつかないように)

気が付かないように

(ことばをのみほした)

言葉を飲み干した

(たいくつなくにのひとが)

退屈な国の人が

(なくしたものをさがしてた)

なくしたモノを　探してた

(かがみをふさいでた)

鏡を塞いでた

(とけたあんてぃーくなひび)

溶けた　アンティークな日々

(かせいのはいきょまひるのかしおぺあ)

火星の廃墟　真昼のカシオペア

(なんどだってきこえる)

何度だって聞こえる

(わすれていたおとのあめに)

忘れていた音の雨に

(えにかいたがいこつは)

絵に描いた骸骨は

(こどくなそうぞうをうめるようで)

孤独な想像を埋めるようで

(とおくなっておぼれて)

遠くなって溺れて

(かすむそらはしらないまま)

霞む空は知らないまま

(ふりそそぐせかいへ)

降りそそぐ世界へ

(つれていって)

連れて行って

(ねえ)

ねえ

(うるんでさいたとおいくにに)

潤んで咲いた遠い国に

(はせるおもいくすんだひとみ)

馳せる想い　くすんだ瞳

(ほしにねがいをろみあろみあ)

星に願いを　ロミア　ロミア

(もんをくぐってきりをぬけて)

門をくぐって　霧を抜けて

(うばいさったってあいにいこう)

奪い去ったって会いに行こう

(ささやきをたよりに)

囁きを頼りに

(あるくまちなみがらすびんのふゆ)

歩く街並み　硝子瓶の冬

(どこかのえいがのようね)

何処かの映画のようね

(ほそくながいせんろのうえでさ)

細く長い線路の上でさ

(わたしにいろをつけて)

私に色を付けて

(ふれてすぐはがれてしまう)

触れてすぐ　剥がれてしまう

(はかなくしずかなあさに)

儚く　静かな朝に

(みつけたおとのかけら)

見つけた　音の欠片

(ほら)

ほら

(うたってたってないたひとり)

歌ってたって泣いたひとり

(うかんでまったおんがくさい)

浮かんで舞った音楽祭

(きみはきこえるろみあろみあ)

君は聞こえる？ロミア　ロミア

(なんねんたってあえたおとに)

何年経って逢えた音に

(まほうみたいなこいをしたり)

魔法みたいな恋をしたり

(ねむるようにさめるまえに)

眠るように冷める前に

(めをとじててをあてて)

目を閉じて　手をあてて

(おくそこのこどうをきいた)

奥底の鼓動を聞いた

(とぎれないせんりつを)

途切れない旋律を

(なもなききみへと)

名もなき君へと