コノハの世界事情

(いみとゆめといのちをあつめてつくられてしまったからだは)

意味と夢と命を集めて 作られてしまった体は

(おわったいのちをむしかえすきかいらしい)

終わった命を蒸し返す機械らしい

(これはかれのむかしのおはなし)

【これは彼の昔のお話】

(ひとひとりはなみだをながしてまたあいたいとつぶやいた)

人一人は涙を流して　また会いたいと呟いた

(はりぼてのまちのしゅうまつじっけんは)

ハリボテの街の終末実験は

(きのうじてんでよそうどおりぐだぐだすぎて)

昨日時点で予想通りグダグダ過ぎて

(そのじてんでもうあきらめたほういいでしょう)

その時点でもう諦めたほう良いでしょう？

(つぎのふたりはまちのすきまでそんなみずいろのゆめみてた)

次の二人は街の隙間で そんな水色の夢見てた

(きたいはずれのしゃせんのさきでちいさなからだはまたとびちった)

期待外れの車線の先で 小さな体はまた飛び散った

(なきさけぶしょうじょをめざめないぼくはみていた)

泣き叫ぶ少女を目醒めない僕は見ていた

(びょうしんはすすみだすのをやめてせかいもろともくらみだそうとする)

秒針は進み出すのを止めて 世界もろとも眩みだそうとする

(このゆめはおわらない)

この夢は終わらない

(いみとゆめとじたいをあわせてただただかんがえてくあたま)

意味と夢と事態を合わせて ただただ考えてく頭

(このせかいはどうやらすこしやばいらしい)

「この世界はどうやら少しやばいらしい」

(これはかれとかのじょのおはなし)

【これは彼と彼女のお話】

(つくられてしまったこころではもうことばもとどかない)

作られてしまった心では もう言葉も届かない

(かれるたいようのおとむせるえんてんかのめ)

枯れる太陽の音 蒸せる炎天下の目

(なつばてしたせけんにはじきだされたような)

夏バテした世間にはじき出された様な

(せみのこえがもうなりひびきはじめてもゆらゆらゆれるすけるからだじゃ)

蝉の声がもう鳴り響き始めても ゆらゆら揺れる透ける体じゃ

(のばしたてもとどかなくて)

伸ばした手も届かなくて

(きたいはずれのしかいのさきでびょうしんはふざけてたちどまって)

期待ハズレの視界の先で 秒針はふざけて立ち止まって

(ふみつぶされるみらいをはんたいしゃせんでみていた)

踏み潰される未来を反対車線で見ていた

(きかいじかけのせかいをぬけてこのはのおちるみらいのふうけいへと)

機械仕掛けの世界を抜けて 木の葉の落ちる未来の風景へと

(きみのめで)

君の目で

(わらうひざしはどこかにきえてはちがつはなんどでもすぎさって)

嗤う日差しはどこかに消えて 8月は何度でも過ぎ去って

(またらいねんだねとわらいあうそんなみらいなら)

「また来年だね」と笑いあう そんな未来なら？

(きたいはずれのせかいのすきまよほうはずれのあめがふってきた)

期待ハズレの世界の隙間 予報外れの雨が降ってきた

(そのときにそのときに)

その時に その時に

(たとえみらいがかきかわっていても)

例え未来が書き換わっていても

(あのめは)

あの目は