十壱番線浪漫

(なごりおしむことでそのめをそむけるなら)

名残惜しむ事で　その目を背けるなら

(いきさきはあきるほどとおく)

行先は飽きるほど遠く

(さびてしまうだろう)

錆びてしまうだろう

(ことふれでうしなうただしさそのとなりで)

言触れで失う　正しさその隣で

(うまれたいのちがまだある)

生まれた　命がまだある

(うぶごえをあげて)

産声を上げて

(かなたむかうれっしゃで)

彼方向う列車で

(はいからとうたうこえ)

ハイカラと詠う声

(なるきてきしゅくふくを)

鳴る汽笛　祝福を

(わすれやしない)

忘れやしない

(ときはすすみはりはまわってゆく)

時は進み　針は廻ってゆく

(うつろいはたえまなく)

移ろいは絶え間なく

(そっともえる)

そっと燃える

(くやみいきていたぼくだけど)

悔み生きていた　僕だけど

(うばわせない)

奪わせない

(ねがいたちよ)

願い達よ

(どうかとどきますように)

どうか届きますように

(いくせんとあふれるさようならのけつまつを)

幾千と溢れる　然様ならの結末を

(もてあそぶことはだれだって)

弄ぶことは誰だって

(ゆるされないから)

許されないから

(しょうえんのかおりあかいそらをつくりあげないで)

硝煙の香り　紅い空を創り上げないで

(すがっては)

縋っては

(もとめては)

求めては

(だめだとしても)

駄目だとしても

(ときはすすみおもいみのってゆく)

時は進み　想い実ってゆく

(さいてかれかがやきを)

咲いて枯れ　輝きを

(くりかえす)

繰り返す

(はてしなくとおいじだいでも)

果てしなく遠い時代でも

(つながってる)

繋がってる

(さようならこえて)

然様なら超えて

(なみだもわらうひびも)

涙も　笑う日々も

(みどりもやまないうたも)

緑も　止まない歌も

(たしかめたいよ)

確かめたいよ

(しゃそうでてをふる)

車窓で手を振る

(あなたへ)

アナタへ

(えがおはぼくがおくるよ)

笑顔は僕が送るよ

(いきさきであまつぶがこぼれても)

行先で雨粒が零れても

(そのつぶではなをさかせましょう)

その粒で花を咲かせましょう

(あすをあいせるように)

明日を愛せるように

(ときはすすみはりはまわってゆく)

時は進み　針は廻ってゆく

(うつろいはたえまなく)

移ろいは絶え間なく

(そっともえる)

そっと燃える

(くやみいきていたぼくだけど)

悔み生きていた　僕だけど

(うばわせない)

奪わせない

(ねがいたちよ)

願い達よ

(どうかとどきますように)

どうか届きますように