妄言に足る所以

歌詞(問題文)
(どんてんがゆえかいつぶりしきさいくるいまうぬれねずみ)
曇天が故、鳰 色彩狂い舞う濡れ鼠
(いしゅうもたいきひるがえしわからないことならひとだのみ)
異臭も大気翻し 理解からないことなら人間頼み
(あふれかえったこのよのつねかぞえきれないしょうにんのむれ)
溢れかえったこの世の常 数えきれない承認の群れ
(りょうてにかかえたるいのちのたばだれにもいえないつみなことさ)
両手に抱えたる命の束 誰にも言えない罪な仕事さ
(きたいやきぼうをつめたはこはみつどとしつどがいやにたかい)
期待や希望をつめた匣は 密度と湿度が嫌に高い
(どのみちこのうちはんぶんいじょうがつかいつくされすてられちまう)
どの道この内半分以上が 使い尽くされ捨てられちまう
(しらぬがほとけくたびれもうけ)
知らぬが仏、草臥れ儲け
(ゆれるつりかわいたずらどうけ)
揺れるつり革、悪戯道化
(かきけすようにきてきがなる)
掻き消すように汽笛が鳴る
(ないたってわめいたってくたびれたなつは)
泣いたって喚いたって草臥れた夏は
(こんなぼくにいろをさかすのだろうか)
こんな僕に色を咲かすのだろうか
(せおいきれないはくじゃくなことば)
背負いきれない薄弱な言葉
(ふみつけられてきづくんだろうなまなばないな)
踏み付けられて気づくんだろうな「学ばないな」
(はいたってすがったってみたされぬなつは)
吐いたって縋ったって満たされぬ夏は
(どんなときをむじょうにてらすのだろうか)
どんな時を無情に照らすのだろうか
(べつにひらきなおったわけじゃないさ)
別に開き直った訳じゃないさ
(おとなになっただけさ)
大人になっただけさ
(がたんごとんとはこばれてゆくまどぬうこさめとふみきりのおと)
ガタンゴトンと運ばれてゆく 窓縫う小雨と踏切の音
(にしゃくさんずんごぶのかげぬいかざむきがかわることをただねがう)
二尺三寸五部の影縫 風向きが変わることををただ願う
(みぎにならえがいきのこるすべべつにうたれるほどちからはねえ)
右に倣えが生き残る術 別に打たれるほど能力は無ぇ
(てのひらのうえころがっていたるーどうぃひのゆーとぴあ)
掌の上、転がっていたルードウィヒの桃源郷
(ねじまきのまちさびついたかち)
螺子巻きの街、錆び付いた価値
(でたらめなやくわりあってないな)
出鱈目な役割合ってないな
(じゃまものはだれじゃまものはだれ)
邪魔者は誰? 邪魔者は誰?
(にんくのひかりがめにささった)
人工の灯が 眼に刺さった
(きゅうしきのぼいらーがくさいならされたはなはもっとひどい)
旧式の汽缶が臭い慣らされた鼻はもっと酷い
(ものくろのとしにゆめみるぐみん)
白黒の都市に夢見る愚民
(しゅうてんだいていととうきょうなり)
終点大帝都「東京」也
(ないたってわめいたってくさりきったなつは)
泣いたって喚いたって 腐りきった夏は
(どんなどくをからだにやどすのだろうか)
どんな毒を身体に宿すのだろうか
(つたえきれないぜいじゃくなことば)
伝えきれない脆弱な言葉
(うしなってからきづくんだろうな)
失ってから気づくんだろうな
(ばからしいな)
「莫迦らしいな」
(はいたってすがったってくりかえすなつは)
吐いたって縋ったって繰り返す夏は
(こんごはぼくからなにをうばうんだろうか)
今後は僕から何を奪うのだろうか
(べつにかんしょうにひたっていたわけじゃないさ)
別に感傷に浸っていた訳じゃ無いさ
(おとなになっただけさ)
大人になっただけさ
(まちがってまちがって)
間違って間違って
(ぐるぐるぐるぐるなんどめだろうな)
ぐるぐるぐるぐる何度目だろうな
(いつだっていつだって)
何時だって何時だって
(だれかのむかえをまっていたんだよな)
だれかの迎えを待っていたんだよな
(まっていたんだよな)
待っていたんだよな
(まちがってまちがって)
間違って間違って
(とうとうここまできてしまったんだ)
とうとう此処まで来てしまったんだ
(いつだっていつだって)
何時だって何時だって
(あなたのことばをまっていたんだよな)
貴方の言葉を待っていたんだよな
(ずっとまっていたんだ)
ずっと待っていたんだ
(こんどはうまくやるさ)
今度はうまくやるさ…