風たちの声

(かぜがぼくらのまえできゅうにかじをきったのをかんじたごご)

風が僕らの前で急に舵を 切ったのを感じた午後

(いまならどんなむちゃもせかいきろくもききてとぎゃくでだせるような)

今ならどんな無茶も世界記録も 利き手と逆で出せるような

(きがしたんだほんきでしたんだ)

気がしたんだ 本気でしたんだ

(しんごうきがぼくらのゆくさきをぜんぶあおにかえてくよ)

信号機が僕らの行く先を 全部青に変えてくよ

(いまぼくらにあるものといえばきっとはるかかなごうまんさとゆうきと)

今僕らにあるものと言えばきっと 遥かな傲慢さと勇気と

(おとなはもってないもののすべて)

大人は持ってない モノのすべて

(なんとかなるさとあとどれくらいとだいじょうぶかなぼくらのあいだを)

「なんとかなるさ」と「あとどれくらい？」と「大丈夫かな僕ら」の間を

(ふりこのようにいったりきたりしてはてをつよくつかんだ)

振り子のように行ったり来たりしては手を強く掴んだ

(わらわれないくらいのあいでかえられるくらいのせかいならば)

笑われないくらいの愛で 変えられるくらいの世界ならば

(はじめからようなどないぼくにはひつようない)

はじめから用などない 僕には必要ない

(かみさまはやくつぎをぼくにくれよ)

神様早く次を僕にくれよ

(みっともないくらいのこえでありえないくらいのこのきもちを)

みっともないくらいの声で ありえないくらいのこの気持ちを

(ぼくにさけばせてよさけばせてよくさらせないでよすてないでよ)

僕に叫ばせてよ(叫ばせてよ) 腐らせないでよ(捨てないでよ)

(ぼくらのもてあましたゆうきをつかわせてよ)

僕らの持て余した勇気を 使わせてよ

(いろとりどりのうそやまがいもんできょうもこのよはかがやいて)

色とりどりの嘘やまがいもんで 今日もこの世は輝いて

(のりおくれまいとちからをこめどもくうをきるようなむなしさでさ)

乗り遅れまいと力を込めども 空を切るような虚しさでさ

(はんたいでんしゃにいざとびのったよ)

反対電車に いざ飛び乗ったよ

(ゆめからさめたらぼくらのたましいはしわくちゃなはずだよ)

夢から醒めたら 僕らの魂はシワクチャなはずだよ

(それならいっそこのゆめのどまんなかではでにつかいはたしてみようよ)

それなら いっそこの夢のど真ん中で派手に 使い果たしてみようよ

(わらわれないくらいのあいでかえられるくらいのせかいならば)

笑われないくらいの愛で 変えられるくらいの世界ならば

(はじめからようなどないぼくにはひつようない)

はじめから用などない 僕には必要ない

(ぼくらのもてあましたせいぎをつかわせてよ)

僕らの持て余した正義を 使わせてよ

(さよならのないはろーとしかたないのないみらいと)

「さよなら」のないハローと「仕方ない」のない未来と

(かぎのないどあだらけのこころで)

鍵のないドアだらけの心で

(みらいがとくいげにぼくらをみてきてもどうでもいいや)

未来が得意気に僕らを見てきてもどうでもいいや

(まだぼくらにゃやることがあるから)

まだ僕らにゃやることがあるから

(ぼくらのもてあましたこのいまを)

僕らの持て余したこの今を

(ぼくらのこぼれそうなきせきをつかわせてよ)

僕らのこぼれそうな奇跡を使わせてよ