ラストストロウ/空白ごっこ

(しろいぬののなかでやすまらないきおくのあまいにおいまでおぼえてる)

白い布の中で休まらない記憶の甘い匂いまで覚えてる

(ひみつばこのなかのかすめられないきおくをただうたがわずまっている)

秘密箱の中の掠められない記憶をただ疑わず待っている

(へいこうせかいでのおわりかたをのぞいたってきっとかわらないこと)

並行世界での終わり方を覗いたってきっと変わらないこと

(ちょうしょくになみだをふたりぬぐういがいのただしさのこと)

朝食に涙をふたり拭う以外の正しさのこと

(いきをするまでのぜんぶをかかえきれなくていいなら)

息をするまでの全部を抱えきれなくていいなら

(ぼくのめをふさいだままもうしあわせになろうっていってよ)

僕の目を塞いだままもう幸せになろうって言ってよ

(たいおんのたよりなさつめたいひかりのかずをしっているでしょう)

体温の頼りなさ冷たい光の数を知っているでしょう

(しろいくものおくのみたことないはなしのあわいつづきをねがってる)

白い雲の奥の見たことない話の淡い続きを願ってる

(くらいそこのなかでみたすことないきたいをただすてきれずもっている)

暗い底の中で満たすことない期待をただ捨てきれず持っている

(げんそうせかいでのうまれかたにさわったってずっとわからないこと)

幻想世界での生まれ方に触ったってずっと分からないこと

(いっしゅんにたしかをもとめてしまういがいのごまかしのこと)

一瞬に確かを求めてしまう以外の誤魔化しのこと

(いきをするまでのぜんぶをかかえきれなくていから)

息をするまでの全部を抱えきれなくていから

(ぼくのてをにぎったままただしあわせってわらっていってよ)

僕の手を握ったままただ幸せって笑って言ってよ

(しんじつのあっけなさけんそうのまのこどくもしっているでしょう)

真実の呆気なさ喧騒の間の孤独も知っているでしょう

(いきをするまでのぜんぶをかかえきれなくていいなら)

息をするまでの全部を抱えきれなくていいなら

(ぼくのいままでをうけとめてしあわせになろうっていってよ)

僕の今までを受け止めて幸せになろうって言ってよ