文豪ストレイドッグス二巻

(きさまはいきているだけでしゅういのにんげんをそこなうのだ)

貴様は生きているだけで周囲の人間を損なうのだ

(どうようはたつじんをもころすししょうのおしえだ)

動揺は達人をも殺す師匠の教えだ

(あれをこうしてこうばしっとうごきいいかんじにぐっとやってたおす)

あれをこうしてこうばしっと動きいい感じにぐっとやって倒す

(さっきからさがしているんだがめがねをしらんか)

先刻から探しているんだが眼鏡を知らんか

(ぜんいんころせやはりしごとおわりのいっぷくはかくべつだな)

全員殺せ矢張り仕事終わりの一服は格別だな

(ぼくはたんていしゃをやめる)

僕は探偵社を辞める

(ふたりともしゅうげきにさいしせんしとほうこくされたいか)

二人とも襲撃に際し戦死と報告されたいか

(まどからすてとけ)

窓から棄てとけ

(せかいさいこうののうりょくをもつこのめいたんていらんぽさんのじょげんがほしいってなきついてきてさ)

世界最高の能力を持つこの名探偵乱歩さんの助言が欲しいって泣きついてきてさ

(だざいもさがしてつれてけどうせそのへんのかわをながれてる)

太宰も探して連れてけどうせその辺の川を流れてる

(ぼくれっしゃののりかたわかんないから)

僕列車の乗り方判んないから

(やっぱりしぬならしんじゅうにかぎるひとりこのよをさるさびしさのなんとむなしいことだろう)

矢っ張り死ぬなら心中に限る独りこの世を去る淋しさの何と虚しいことだろう

(ぼくのざゆうのめいはぼくがよければすべてよしだからな)

僕の座右の銘は僕がよければすべてよしだからな

(きよくあかるくげんきなじさつ)

清く明るく元気な自殺

(いきているならいいじゃない)

生きているならいいじゃない

(あつしくんよくみていたまえたんていしゃをささえるのうりょくだ)

敦君よく見てい給え探偵社を支える能力だ

(はんぶんくらいはわかったかな)

半分くらいは判ったかな

(あとああみえて２６さいだよ)

あとああ見えて２６才だよ

(らんぽさんのあのたいどをたんていしゃのだれもとがめないりゆうがさ)

乱歩さんのあの態度を探偵社の誰も咎めない理由がさ

(たんていしゃでけがだけはぜったいにしちゃだめだよ)

探偵社で怪我だけは絶っ対にしちゃ駄目だよ