黒猫のジンクス/可不

(あすふぁるとにさいたはなを)

アスファルトに咲いた花を

(ふみつけてきみはにらんだ)

踏みつけて君は睨んだ

(ふきつなひだあっちへいけ)

「不吉な日だ あっちへ行け」

(くろねこがはしる)

黒猫が走る

(しょうがないね)

「しょうがないね」

(ってのみこんでも)

って飲み込んでも

(こころはなんどただれただろう)

心は何度ただれただろう？

(よるのとばりかけぬけたら)

夜の帳 駆け抜けたら

(あしたがやってくる)

明日がやってくる

(あぶらかたぶらだなんて)

アブラカタブラだなんて

(きょうきをまとってさけぶすがたのくうそう)

狂気をまとって 叫ぶ姿の空想

(べっどのはしごぜんにじまだまだ)

ベッドの端 午前二時 まだまだ

(ねむくないんだあれから)

眠くないんだ　あれから

(にゃんにゃかにゃんにゃんにゃか)

ニャンニャカニャンニャンニャカ

(ってなついた)

って懐いた

(くろねこがぼくをまってる)

黒猫が僕を待ってる

(あぁにたものどうしおなかがなってる)

あぁ似た者同士 お腹が鳴ってる

(よるもふけなんでかな)

夜も更け なんでかな？

(なんでかっていうのさ)

なんで勝手言うのさ

(そんなにぼくのいない)

そんなに僕のいない

(せかいがきみたちはひつようなの)

世界が君たちは必要なの？

(それがせいぎならかなえてあげるよ)

それが正義なら 叶えてあげるよ

(かすたーどをくるむきじが)

カスタードをくるむ生地が

(ぶあつくてのどがかわいた)

分厚くて喉が渇いた

(よるのとちゅうながしこんだ)

夜の途中 流し込んだ

(こーひーがにがい)

コーヒーが苦い

(やぶれかぶれにもなって)

やぶれかぶれにもなって

(きずつけあって)

傷つけ合って

(むだなぷらいどをまもる)

無駄なプライドを守る

(ねっとのなかごぜんよじまだまだ)

ネットの中 午前四時 まだまだ

(ねむれないんだあれから)

眠れないんだ あれから

(にゃんにゃかにゃんにゃんにゃか)

ニャンニャカニャンニャンニャカ

(ってさけんでくろねこがそこにたってる)

って叫んで 黒猫がそこに立ってる

(あぁこんなときだけあたまがさえてる)

あぁこんな時だけ頭が冴えてる

(ぼくのことじんくすだじんくす)

僕のこと「ジンクスだ ジンクス!」

(ってさわいだ)

って騒いだ

(そういうきみのいないせかいが)

そういう君のいない世界が

(あしたにはおとずれる)

明日には訪れる

(よるのそのろじをくろねこははしる)

夜のその路地を 黒猫は走る

(にゃんにゃかにゃんってとおりすぎて)

ニャンニャカニャンって通り過ぎて

(そのかどでぼくをまねいている)

その角で僕を招いている

(やっぱりなぁてがふるえてる)

やっぱりなぁ 手が震えてる

(いまからせかいにばいばいばい)

今から世界にバイバイバイ

(ちゃんちゃかちゃんちゃんちゃか)

チャンチャカチャン チャンチャカ

(っておわらせて)

って終わらせて

(ぱんぱかぱんぱんぱか)

パンパカパン パンパカ

(ってはじめようよそれから)

って始めようよ それから

(にゃんにゃかにゃんにゃんにゃか)

ニャンニャカニャンニャンニャカ

(ってうたってくろねこがここをさってく)

って歌って 黒猫がここを去ってく

(あぁにたものどうしさびしくなるなぁ)

あぁ似た者同士 寂しくなるなぁ

(よるがあけそうだよなそうだよ)

夜が明け そうだよな そうだよ

(ってきづいた)

って気づいた

(こんなにぼくがいきるせかいは)

こんなに僕が生きる世界は

(いろづいてうつくしい)

色付いて美しい

(あさのそのろじをくろねこははしる)

朝のその路地を黒猫は走る