眠らせ姫からの贈り物

(ねむりなさいこのぎふとで)

眠りなさいこのgiftで

(よくねむれるこのぎふとで)

よく眠れるこのgiftで

(わたしはそうねむらせひめ)

私はそう眠らせ姫

(あなたのしあわせのために)

貴方の幸せの為に…

(せいりゃくのはてきめられたこんいん)

政略の果て決められた婚姻

(それでもあなたをあいした)

それでも貴方を愛した

(よくにおぼれるむのうなあそびにん)

欲に溺れる無能な遊び人

(だけどまえからすきだった)

だけど前から好きだった

(いしゃのむすめのざいさんだけめあて)

医者の娘の財産だけ目当て

(べつにそれでもしあわせよ)

別にそれでも幸せよ

(おさないころのやくそくもわすれて)

幼い頃の約束も忘れて

(いいのあなたのそばにいられれば)

いいのあなたのそばにいられれば

(ふあんなじょうちょなやむあなたに)

不安な情緒悩む貴方に

(とてもいいくすりがあるのよ)

とてもいい薬があるのよ

(よいゆめがみれるからつかれたみいやせるわ)

良い夢が見れるから疲れた身癒せるわ

(わたしからのぷれぜんと)

私からのプレゼント

(ねむりなさいこのぎふとで)

眠りなさいこの薬で

(よくねむれるこのぎふとで)

よく眠れるこの薬）で

(わたしはそうねむらせひめ)

私はそう眠らせ姫

(あなたのしあわせのために)

貴方の幸せの為に…

(だれもがなやみかかえているのよ)

誰もが悩み抱えているのよ

(ちちもははもまちのひとたちも)

父も母も街の人達も

(よるにねむれぬみんなのために)

夜に眠れぬみんなの為に

(ぎふとをつくるねむれるくすり)

giftを作る眠れる薬

(いやなげんじつかなわぬおもい)

嫌な現実叶わぬ想い

(ゆめのなかならわすれられるわ)

夢の中なら忘れられるわ

(ゆりかごのなかあかごのように)

ゆりかごの中赤子のように

(めをとじたままゆだねなさい)

目を閉じたまま委ねなさい

(わたしのぎふとをみんながのんで)

私のgiftをみんなが飲んで

(しあわせになったみんながみんな)

幸せになったみんながみんな

(ただひとりねむれぬわたしはかわりに)

ただ一人眠れぬ私は代わりに

(じゆうとざいをえた)

自由と財を得た

(ねむりなさいこのぎふとで)

眠りなさいこの毒で

(よくねむれるこのぎふとで)

よく眠れるこの毒で

(わたしはそうねむらせひめ)

私はそう眠らせ姫

(きぼうをもとめたおんな)

希望を求めた女

(おかざりのどーるのように)

お飾りのドールのように

(りようされるだけのひびに)

利用されるだけの日々に

(もうとっくにこわれていた)

もうとっくに壊れていた

(すべてをこわしたかったの)

全てを壊したかったの

(とてもよくきくくすりなの)

とてもよく効く薬なの

(とわにねむれるほどによくきくの)

永遠に眠れるほどによく効くの

(これでようやくわたしもねむれる)

これでようやく私も眠れる

(ねむらせひめからねむりひめに)

眠らせ姫から眠り姫に…

(ひどいありさまね)

「……酷い有様ね」

(おまたせしました)

「お待たせ、しました」

(おつかれさまでどうだった)

「お疲れ様。で、どうだった？」

(はいうつわはすでにもちさられたあとのようで)

「はい、器は、すでに、持ち去られた後の、ようで……」

(そう)

「そう……」

(それからこんかいのけんやはりあのおんなじゅりあがかかわっているようです)

「それから、今回の件、やはりあの女……ジュリアが関わっているようです」

(ぺーるのえるふかくしらべてみるひつようがありそうね)

「ペールノエル……深く調べてみる必要がありそうね」

(いきましょうぐーみりあるしふぇにあへ)

「行きましょう、グーミリア。ルシフェニアへ。」

(はいわかりましたえるるか)

「はい、わかりました、エルルカ」