さらば純情

(いったままでけっしてかえれない)

行ったままで　決して帰れない

(ぼくらそういっぽうつうこうだったんです)

僕らそう　一方通行だったんです

(やりなおししたくてもとどまっていたくても)

やり直ししたくても　留まっていたくても

(おうおうふくすいぼんにかえらず)

往々　覆水盆に返らず

(せんせいぜんいはいつかくみあえるってねえ)

先生　善意はいつか汲み合えるって　ねえ

(がくめんどおりほんとですか)

額面通りほんとですか

(このよでたったひとりにちかうせっそうさえほぼ)

この世でたった　ひとりに誓う節操さえほぼ

(ないがしろみたいでした)

蔑ろみたいでした

(あいしあうすべをかつてしっていた)

愛し合う術をかつて知っていた

(ぼくらげんにもくしていたんですか)

僕ら現に黙していたんですか

(ことばをうむたびにねむらせたかんは)

言葉を生むたびに　眠らせた勘は

(ちょっとかくせいさせたいですが)

ちょっと覚醒させたいですが

(せんせいもっとまえにといてほしかったです)

先生　もっと前に説いて欲しかったです

(とつぜんいまさらおそいでしょう)

突然　今更遅いでしょう

(つくしたけっかむくわれるいいつたえは)

尽くした結果　報われる言い伝えは

(ふぁんたじーてんけいてきだいほんと)

ファンタジー典型的台本と

(ええしらなかったです)

ええ　知らなかったです

(ぼくはただあのひとのぶんはんぶんとっておいた)

僕はただあの人の分　半分取って置いた

(あらゆるよさげなすべてなけなしのわかさも)

あらゆるよさげなすべて　なけなしの若さも

(のこしておきたくて)

残して置きたくて

(しんじていましたまっすぐにきっと)

信じていました　真っ直ぐにきっと

(うけとってもらえるはずと)

受け取ってもらえるはずと

(じぶんじしんをうけがうしせいで)

自分自身を　肯う姿勢で

(どうにかまだもっていただけでしょう)

どうにかまだ　保っていただけでしょう

(せんせいもうこれいじょうはたくさんですいっそ)

先生　もうこれ以上は沢山です いっそ

(なにもかもをだきしめたい)

何もかもを抱き締めたい

(てばなせないんです)

手放せないんです

(よごさせるもんか)

汚させるもんか

(ほんしんは)

本心は

(ずっとだいすきでした)

ずっと大好きでした