第一夜｜ヨルシカ

(あなただけをおぼえている)

貴方だけを憶えている

(くものかげがながれていく)

雲の影が流れて往く

(ことばだけがあふれている)

言葉だけが溢れている

(おもいではなつかぜゆられながら)

想い出は夏風、揺られながら

(あさめがさめてはをみがく)

朝目が覚めて歯を磨く

(さんぽのまえにあさごはん)

散歩の前に朝ご飯

(まどのむこうにふくれぐも)

窓の向こうにふくれ雲

(それをてちょうにかきとめて)

それを手帳に書き留めて

(うたうこだちをながめます)

歌う木立を眺めます

(とおりすがりのかぜがはこんだ)

通りすがりの風が運んだ

(はなのかおりにすこしだけはるかとおもいました)

花の香りに少しだけ春かと思いました

(あなただけをおぼえている)

貴方だけを憶えている

(くものかげがながれていく)

雲の影が流れて往く

(ことばだけがあふれている)

言葉だけが溢れている

(おもいではなつかぜゆられながら)

想い出は夏風、揺られながら

(ひるはどこかでゆめうつつ)

昼は何処かで夢うつつ

(ふらりたちよるしょうてんがい)

ふらり立ち寄る商店街

(あいすをひとつかっていく)

氷菓を一つ買って行く

(ほおばるあなたがうかびます)

頬張る貴方が浮かびます

(おもいでばかりえがきます)

想い出ばかり描きます

(このうたにこめたひょうじょうは)

この詩に込めた表情は

(だれにもわからなくていい)

誰にもわからなくていい

(いつかあいにむかいます)

いつか会いに向かいます

(あなただけをおぼえている)

貴方だけを憶えている

(くものかげがながれていく)

雲の影が流れて往く

(ことばだけがあふれている)

言葉だけが溢れている

(おもいではなつかぜゆられながら)

想い出は夏風、揺られながら

(よるにはなびをみています)

夜に花火を観ています

(いつかみたいなひとごみで)

いつかみたいな人混みで

(なまえもしらずよんでいた)

名前も知らず呼んでいた

(しろいはなをいちりんもって)

白い花を一輪持って

(となりまちからかえります)

隣町から帰ります

(れっしゃのまどをすこしひらいて)

列車の窓を少し開いて

(よるがひとひらほおなでて)

夜がひとひら頬撫でて

(かぜゆれるかみがなびく)

風揺れる、髪が靡く

(あなただけをおぼえている)

貴方だけを憶えている

(くものかげがながれていく)

雲の影が流れて往く

(ことばだけがあふれている)

言葉だけが溢れている

(おもいではなつかぜゆられながら)

想い出は夏風、揺られながら

(このうたはなつかぜゆられながら)

この歌は夏風、揺られながら

(あさめがさめてはをみがく)

朝目が覚めて歯を磨く

(さんぽのまえにあさごはん)

散歩の前に朝ご飯

(おかのむこうにふくれぐも)

丘の向こうにふくれ雲

(ふいになにかにきづきます)

ふいに何かに気付きます

(こころがひどくふるえます)

心が酷く震えます

(しらゆりかおるみちをはしって)

白百合香る道を走って

(やっとあなたにであえた)

やっと貴方に出逢えた

(そんなゆめをみました)

そんな夢を見ました

(あなたはぼくにわらいます)

貴方は僕に笑います

(ずっとまっていましたと)

ずっと待っていましたと