白夜2

問題文
(りヴぁいへいちょう、やっとおいついた、えるヴぃんだんちょうがじゅうしょうです)
リヴァイ兵長、やっと追いついた、エルヴィン団長が重症です
(はらがえぐれてないぞうまでそんしょうしているため、ちが、とまりません)
腹がえぐれて内臓まで損傷しているため、血が、止まりません
(れいのちゅうしゃがやくにたてばとおもったんですけど、どうでしょうか?)
例の注射が役に立てばと思ったんですけど、どうでしょうか?
(え?へいちょう?)
え?兵長?
(まだいきがある、まだいきてる、)
まだ息がある、まだ生きてる、
(このちゅうしゃはえるヴぃんにうつ)
この注射はエルヴィンに打つ
(さっきあるみんにつかうって)
さっきアルミンに使うって
(おれはじんるいをすくえるほうをいかす)
俺は人類を救える方を生かす
(おまえら、じぶんでなにをやっているのかわかっているのか)
お前ら、自分で何をやっているのか分かっているのか
(えるヴぃんを、ちょうさへいだんだんちょうをみごろしにしろといってるんだぞ)
エルヴィンを、調査兵団団長を見殺しにしろと言ってるんだぞ
(じかんがないじゃまをするな、えれんしじょうをすてろ)
時間がない邪魔をするな、エレン私情を捨てろ
(しじょうをすてろ?さっきちゅうしゃをすぐにわたさなかったのはなんなんですか)
私情を捨てろ?さっき注射をすぐに渡さなかったのは何なんですか
(えるヴぃんがいきている、そのかのうせいがあたまにあったからだ)
エルヴィンが生きている、その可能性が頭にあったからだ
(ふろっくがひんしのだんちょうをはこんでくるなんて、まったくのよそうがいだったはずです)
フロックが瀕死の団長を運んで来るなんて、全くの予想外だったはずです
(そのとおりだが、ここにえるヴぃんがあらわれたいじょうえるヴぃんにつかう)
その通りだが、ここにエルヴィンが現れた以上エルヴィンに使う
(おい!)
おい!
(ちからがよわってる!ちからづくでうばえる!)
力が弱ってる!力づくで奪える!
(おまえもわかってるはずだ、えるヴぃんのちからなしにじんるいはきょじんにかてないと!)
お前も分かってるはずだ、エルヴィンの力なしに人類は巨人に勝てないと!
(そうだよみかさ、もうやめろこんなばかなまね)
そうだよミカサ、もうやめろこんなバカなまね
(あるみんがいなくたって、むりだ、)
アルミンがいなくたって、無理だ、
(えれん!)
エレン!
(だってそうだったでしょ、)
だってそうだったでしょ、
(とろすとくをいわでふさいでまもることができたのも、あにのしょうたいをみぬいたのも)
トロスト区を岩で塞いで守ることができたのも、アニの正体を見抜いたのも
(やかんにしんこうすることをおもいついたのも、あるみんだ)
夜間に進行することを思いついたのも、アルミンだ
(ひそんでいたらいなーをあばきだしたのも、べるとるとをたおすことができたのも)
潜んでいたライナーを暴き出したのも、ベルトルトを倒すことができたのも
(ぜんぶ、あるみんのちからだ!じんるいをすくうのはおれでもだんちょうでもない、あるみんだ!)
全部、アルミンの力だ!人類を救うのは俺でも団長でもない、アルミンだ!
(そうだろみかさ!)
そうだろミカサ!
(わたして、ください!)
渡して、ください!
(じんるいをすくうのはえるヴぃんだんちょうだ)
人類を救うのはエルヴィン団長だ
(だまってて!)
黙ってて!
(だまってられるか、おまえらばっかりがつらいとおもうなよな!)
黙ってられるか、お前らばっかりが辛いと思うなよな!
(まだしらないとおもうだろうけど)
まだ知らないと思うだろうけど
(あのかべのむこうがわにいきてるへいしはもうだれもいねえ)
あの壁の向こう側に生きてる兵士はもう誰もいねえ
(けもののきょじんのとうせきでみんなころされたんだ、だれもたすからないとおもった)
獣の巨人の投石でみんな殺されたんだ、誰も助からないと思った
(でもえるヴぃんだんちょうだけはちがった)
でもエルヴィン団長だけは違った
(あのじょうきょうでけものののどぶえにくらいつくさんだんをたて、じっこうした)
あの状況で獣の喉笛に食らいつく算段を立て、実行した
(みんなさくせんどおりばらばらにくだけたよ、さいごにかんじたのはきっときょうふだけだ)
みんな作戦通りバラバラに砕けたよ、最後に感じたのはきっと恐怖だけだ
(まだいきのあるだんちょうをみつけたときはとどめをさそうとした)
まだ息のある団長を見つけた時はとどめを刺そうとした
(でもそれじゃなまぬるいとおもった、このひとにはまだじごくがひつようなんじゃないかって)
でもそれじゃ生温いと思った、この人にはまだ地獄が必要なんじゃないかって
(そしてわかったんだ、きょじんをほろぼすことができるのはあくまだ!)
そして分かったんだ、巨人を滅ぼすことができるのは悪魔だ!
(あくまをよみがえらせる、それがおれのしめいだったんだ!)
悪魔を蘇らせる、それが俺の使命だったんだ!
(それがおめおめといきのこっちまったおれのいみなんだよ!だからじゃまするなよ!)
それがおめおめと生き残っちまった俺の意味なんだよ!だから邪魔するなよ!
(よせ!!)
よせ!!
(はんじ、)
ハンジ、
(おいうそだろ、こんなの、そんな、)
おい嘘だろ、こんなの、そんな、
(なんて、ことだ、)
なんて、ことだ、
(みかさ!わたしたちにはえるヴぃんがまだひつようなんだ!)
ミカサ!私たちにはエルヴィンがまだ必要なんだ!
(あのかべのなかできぼうのともしびをたやしてはならないんだよ!)
あの壁の中で希望の灯火を絶やしてはならないんだよ!
(それはあるみんにだって、できる!)
それはアルミンにだって、できる!
(たしかにあるみんはいつざいだ、だが、まだえるヴぃんのけいけんととうそつりょくが、)
確かにアルミンは逸材だ、だが、まだエルヴィンの経験と統率力が、
(わたしにもいきかえらせたいひとがいる、なんびゃくにんも)
私にも生き返らせたい人がいる、何百人も
(ちょうさへいだんにはいったときからわかれのひびだ)
調査兵団に入った時から別れの日々だ
(でも、わかっているだろう?)
でも、分かっているだろう?
(だれにだっていつかはわかれるひがくるって)
誰にだっていつかは別れる日が来るって
(とてもじゃないけどうけいれられないよ、しょうきをたもつことさえままならない)
とてもじゃないけど受け入れられないよ、正気を保つことさえままならない
(つらい、つらいよ、わかってる、)
つらい、つらいよ、分かってる、
(それでも、まえにすすまなきゃいけない)
それでも、前に進まなきゃいけない
(へいちょう、うみって、しって、ますか、)
兵長、海って、知って、ますか、
(いくらみわたしてもちへいせんのはてまでつづくきょだいなみずうみだって、あるみんが、)
いくら見渡しても地平線の果てまで続く巨大な湖だって、アルミンが、
(おい!もうやめろよ!)
おい!もうやめろよ!
(このかべのむこうにあるうみをいつか、みにいこうって)
この壁の向こうにある海をいつか、見に行こうって
(でもそんながきのころのゆめ、おれはとっくにわすれてて)
でもそんなガキの頃の夢、俺はとっくに忘れてて
(かあさんのかたきとかきょじんをころすこととか、なにかをにくむことしかあたまになくて、)
母さんの敵とか巨人を殺すこととか、何かを憎むことしか頭になくて、
(でもこいつはちがうんです、あるみんはたたかうだけじゃない)
でもこいつは違うんです、アルミンは戦うだけじゃない
(ゆめをみている!)
夢を見ている!
(ぜんいんここからはなれろ!ここでかくじつにべるとるとをえるヴぃんにくわせる!)
全員ここから離れろ!ここで確実にベルトルトをエルヴィンに食わせる!
(さあいこう、みかさ)
さあ行こう、ミカサ
(くそ、くそ、、)
クソ、クソ、、
(あるみん、またな)
アルミン、またな
(だから!まずはうみをみにいこうよ!みてろよぜったいあるんだから!)
だから!まずは海を見に行こうよ!見てろよ絶対あるんだから!
(おまえのゆめってのがかなったらそのあとはどうする?)
お前の夢ってのが叶ったらそのあとはどうする?
(わからない、かなえてみないことにはな)
分からない、叶えてみないことにはな
(おれはこのままちかしつにいきたい)
俺はこのまま地下室に行きたい
(まったく、どいつもこいつもがきみてえにわめきちらしやがって)
まったく、どいつもこいつもガキみてえに喚き散らしやがって
(みんななにかによっぱらってねえとやってられなかったんだな)
みんな何かに酔っ払ってねえとやってられなかったんだな
(みんななにかのどれいだった)
みんな何かの奴隷だった
(それだけじゃないよ、うみだ!)
それだけじゃないよ、海だ!
(えるヴぃん、)
エルヴィン、
(せんせい、かべのそとにじんるいがいないって、どうやってしらべたんですか、)
先生、壁の外に人類がいないって、どうやって調べたんですか、
(ゆめをあきらめてしんでくれ、しんぺいたちをじごくへみちびけ)
夢を諦めて死んでくれ、新兵たちを地獄へ導け
(けもののきょじんは、おれがしとめる)
獣の巨人は、俺が仕留める
(りヴぁい、ありがとう)
リヴァイ、ありがとう
(ん?みんなー!たすけて!)
ん?みんなー!助けて!
(あに!らいなー!!)
アニ!ライナー!!
(へいちょう、どうして、ですか)
兵長、どうして、ですか
(こいつを、ゆるしてやってくれないか)
こいつを、許してやってくれないか
(こいつはあくまになるしかなかった)
こいつは悪魔になるしかなかった
(それをのぞんだのはおれたちだ)
それを望んだのは俺たちだ
(そのうえいちどはじごくからかいほうされたこいつを、ふたたびじごくへよびもどそうとした)
そのうえ一度は地獄から解放されたこいつを、再び地獄へ呼び戻そうとした
(だがもうやすませてやらねえと、)
だがもう休ませてやらねえと、
(えるヴぃん、けものをしとめるやくそくだが、まだ、さきになりそうだ)
エルヴィン、獣を仕留める約束だが、まだ、先になりそうだ
(もう、しんだよ)
もう、死んだよ
(そうか)
そうか