オーダーメイド

(きっとぼくはたずねられたんだろううまれるまえどこかのだれかに)

きっと僕は尋ねられたんだろう生まれる前どこかの誰かに

(みらいとかこどちらかひとつをみれるようにしてあげるからさどっちがいい)

未来と過去どちらか一つを見れるようにしてあげるからさどっちがいい？

(そしてぼくはかこをえらんだんだろうつよいひとよりやさしいひとに)

そして僕は過去を選んだんだろう　強い人よりやさしい人に

(なれるようになれますようにと)

なれるようになれますようにと

(おもいでってなんだかわかるように)

『思い出』ってなんだかわかるように

(つづけてだれかさんはぼくにいう)

続けて誰かさんは僕に言う

(うでもあしもくちもみみもめもしんぞうもおぱいもはなのあなも)

腕も脚も口も耳も眼も心臓もおぱいも鼻の穴も

(ふたつずつつけてあげるからねいいでしょう)

二つずつつけてあげるからねいいでしょう？

(だけどぼくはおねがいしたんだよ)

だけど僕はお願いしたんだよ

(くちはひとつだけでいいですと)

口は一つだけでいいですと

(ぼくがひとりでけんかしないようにひとりとだけきすができるように)

僕が一人でケンカしないように一人とだけキスができるように

(わすれたいでもわすれないこんなおもいをなんとよぶのかい)

忘れたいでも忘れないこんな想いをなんと呼ぶのかい

(すこしふきげんなかおのそのひとはまたしかたなくはなしはじめた)

少し不機嫌な顔のその人はまた仕方なく話し始めた

(いちばんだいじなしんぞうはさりょうむねにつけてあげるからねいいでしょう)

一番大事な心臓はさ両胸につけてあげるからねいいでしょう？

(またまたぼくはおねがいしたんだおそれいりますがこのぼくには)

またまた僕はお願いしたんだ恐れ入りますがこの僕には

(みぎがわのしんぞうはいりませんわがままばかりいってすいません)

右側の心臓はいりませんわがままばかり言ってすいません

(ぼくにたいせつなひとができてそのこだきしめるときはじめて)

僕に大切な人ができてその子抱きしめるときはじめて

(ふたつのこどうがちゃんとむねのりょうがわでなるのがわかるように)

二つの鼓動がちゃんと胸の両側でなるのがわかるように

(ひだりはぼくのでみぎはきみのひだりはきみのでみぎはぼくの)

左は僕ので右は君の　左は君ので右は僕の

(ひとりじゃどこかかけてるようにひとりでなどいきてかないように)

一人じゃどこか欠けてるように　一人でなど生きてかないように

(わすれたいでもわすれないこんなおもいをなんとよぶのかい)

忘れたいでも忘れないこんな想いを何と呼ぶのかい

(むねがさわがしいでもなつかしいこんなおもいをなんとよぶのかい)

胸が騒がしいでも懐かしいこんな想いを何と呼ぶのかい

(そういえばさいごにもうひとつだけなみだもおぷしょんでつけようか)

そういえば最後にもう一つだけ『涙』もオプションでつけようか？

(なくてもぜんぜんししょうはないけどめんどうだからってつけないひともいるよ)

なくても全然支障はないけど面倒だからってつけない人もいるよ

(どうする)

どうする？

(そしてぼくはおねがいしたんだよつよいひとよりやさしいひとに)

そして僕はお願いしたんだよ強い人より優しい人に

(なれるようになれますようにと)

なれるようになれますようにと

(たいせつってなんだかわかるように)

『大切』ってなんだかわかるように

(じゃあちなみになみだのあじだけれどきみのすきなあじをえらんでよ)

じゃあちなみに涙の味だけれど君の好きな味を選んでよ

(すっぱくしたりしょっぱくしたりからくしたりあまくしたり)

酸っぱくしたりしょっぱくしたり辛くしたり甘くしたり

(どれでもすきなのをえらんでよどれがいい)

どれでも好きなのを選んでよどれがいい？

(のぞみどおりすべてがかなえられているでしょう)

望み通りすべてが叶えられているでしょう？

(だからなみだにくれるそのかおをちゃんとみせてよ)

だから涙にくれるその顔をちゃんと見せてよ

(さぁほこらしげにみせてよ)

さぁ誇らしげに見せてよ

(ほんとにありがとうございましたいろいろとおてすうをかけました)

ほんとにありがとうございましたいろいろとお手数をかけました

(さいごにひとつだけいいですか)

最後に一つだけいいですか？

(どっかでおあいしたことありますか)

どっかでお会いしたことありますか？