麦の唄　中島みゆき

(なつかしいひとびとなつかしいふうけい)

なつかしい人々　なつかしい風景

(そのすべてとはなれてもあなたとあるきたい)

その総てと離れても　あなたと歩きたい

(あらしふくだいちもあらしふくじだいも)

嵐吹く大地も　嵐吹く時代も

(ひざしをみあげるようにあなたをみつめたい)

陽射しを見上げるように　あなたを見つめたい

(むぎにつばさはなくてもうたにつばさがあるのなら)

麦に翼はなくても　歌に翼があるのなら

(つたえておくれこきょうへここでいきてゆくと)

伝えておくれ故郷へ　ここで生きてゆくと

(むぎはなきむぎはさきあしたへそだってゆく)

麦は泣き　麦は咲き　明日へ育ってゆく

(だいすきなひとびとだいすきなあけくれ)

大好きな人々　大好きな明け暮れ

(あたらしいだいすきをあなたとさがしたい)

新しい「大好き」を　あなたと探したい

(わたしたちはであいわたしたちはまどい)

私たちは出会い　私たちは惑い

(いつかしんじるひをへていっぽんのむぎになる)

いつか信じる日を経て　１本の麦になる

(そらよかぜよきかせてよわたしはだれににてるだろう)

空よ風よ聞かせてよ　私は誰に似てるだろう

(うまれたくにそだつくにあいするひとのくに)

生まれた国　育つ国　愛する人の国

(むぎはなきむぎはさきあしたへそだってゆく)

麦は泣き　麦は咲き　明日へ育ってゆく

(どろにふせるときにもうたはきこえつづける)

泥に伏せるときにも　歌は聞こえ続ける

(そこをこえておいでくじけないでおいで)

「そこを超えておいで」　「くじけないでおいで」

(どんなときもとどいてくるみらいのこきょうから)

どんなときも届いて来る　未来の故郷から

(むぎにつばさはなくてもうたにつばさがあるのなら)

麦に翼はなくても　歌に翼があるのなら

(つたえておくれこきょうへここでいきてゆくと)

伝えておくれ故郷へ　ここで生きてゆくと

(むぎはなきむぎはさきあしたへそだってゆく)

麦は泣き　麦は咲き　明日へ育ってゆく

(むぎはなきむぎはさきあしたへそだってゆく)

麦は泣き　麦は咲き　明日へ育ってゆく