しゃぼん玉　村下孝蔵

(あざやかなあかいいろの)

鮮やかな赤い色の

(とまとをひとつかいました)

トマトをひとつ買いました

(まどぎわにそっとおいて)

窓際にそっと置いて

(いちにちじゅうながめてる)

一日中眺めてる

(なにもはなさずそばにいるだけで)

何も話さず そばにいるだけで

(とまとのきもちわかります)

トマトの気持ち わかります

(しゃぼんだまそらをうつしてとぶ)

しゃぼん玉 空を映して飛ぶ

(いとしくてなみだがでる)

愛しくて 涙が出る

(たとえはかなくきえてもきれいにとぶ)

たとえはかなく消えても きれいに飛ぶ

(しゃぼんだまだんだんうすくなる)

しゃぼん玉 だんだん薄くなる

(さみしくてとりたくなる)

さみしくてとりたくなる

(かぜにふかれてさまよい)

風に吹かれてさまよい

(さいごまでにじのいろ)

最後まで虹の色

(あいしてるといわれたら)

愛してると言われたら

(あいされてるとおもうから)

愛されてると思うから

(いちどきりのことばでも)

一度きりの言葉でも

(なによりもつよいことば)

何よりも強い言葉

(ほんとうにほしいものはどうして)

本当にほしいものはどうして

(てをのばしてもとどかない)

手を伸ばしても届かない

(しゃぼんだまそらをうつしてとぶ)

しゃぼん玉 空を映して飛ぶ

(いとしくてなみだがでる)

愛しくて 涙が出る

(たとえはかなくきえてもきれいにとぶ)

たとえはかなく消えても きれいに飛ぶ

(しゃぼんだまだんだんうすくなる)

しゃぼん玉 だんだん薄くなる

(さみしくてとりたくなる)

さみしくてとりたくなる

(かぜにふかれてさまよい)

風に吹かれてさまよい

(さいごまでにじのいろ)

最後まで虹の色

(とうさんかあさんいのちよりずっと)

父さん母さん 命よりずっと

(たいせつなものみつけたよ)

大切なもの 見つけたよ

(しゃぼんだまそらをうつしてとぶ)

しゃぼん玉 空を映して飛ぶ

(いとしくてなみだがでる)

愛しくて 涙が出る

(たとえはかなくきえてもきれいにとぶ)

たとえはかなく消えても きれいに飛ぶ

(しゃぼんだまだんだんうすくなる)

しゃぼん玉 だんだん薄くなる

(さみしくてとりたくなる)

さみしくてとりたくなる

(かぜにふかれてさまよい)

風に吹かれてさまよい

(さいごまでにじのいろ)

最後まで虹の色

(われるまでにじのいろ)

割れるまで 虹の色