新緑／上野大樹

(おきぬけのからだをじかんはまってくれないな)

起き抜けの体を時間は待ってくれないな

(しーつからはみでるもうふは)

シーツからはみ出る毛布は

(まるでじぶんのようでおおきなちからにすこしずつしいたげられ)

まるで自分のようで大きな力に少しずつ虐げられ

(どこにいこうなにをしようと)

どこに行こう何をしようと

(まるでこどもみたいだな)

まるで子供みたいだな

(まちはなのかできかわって)

町は7日で着替わって

(みどりなんかなくても)

緑なんかなくても

(きせつはすぎていくんだと)

季節は過ぎていくんだと

(しっているしっていく)

知っている知っていく

(かけこんだみらいに)

駆け込んだ未来に

(いかされているぼくらは)

生かされている僕らは

(ひびをながめるじかんすら)

日々を眺める時間すら

(ほらきょうもかぎられている)

ほら今日も限られている

(さびしくなってしまうような)

寂しくなってしまうような

(であいはわかれをおもいだす)

出会いは別れを思い出す

(はるのにおいはかなしくて)

春の匂いは悲しくて

(いつまでもぼくをうばう)

いつまでも僕を奪う

(もうふにくるまったなやみがじぶんをかえてく)

毛布に包まった悩みが自分を変えてく

(ありがとうなんどもゆわいだ)

ありがとう何度も結わいだ

(ことばいえずにいる)

言葉言えずにいる

(すそをいつまでもひきずって)

裾をいつまでも引き摺って

(みのたけをきょうもさがす)

身の丈を今日も探す

(ことばにつまってしまっても)

言葉に詰まってしまっても

(みんなまってくれてた)

みんな待ってくれてた

(まちをうめつくすあおぞら)

町を埋め尽くす青空

(きれいにそまったゆうやけ)

綺麗に染まった夕焼け

(だきしめあったあのひびが)

抱きしめあったあの日々が

(すきだったなんどもふりむいた)

好きだった何度も振り向いた

(かれんだーどおりにいかされているぼくらは)

カレンダー通りに生かされている僕らは

(きみをながめるじかんすら)

君を眺める時間すら

(ほらきょうもかぎられている)

ほら今日も限られている

(あいたくなってしまっても)

会いたくなってしまっても

(ちかごろのきみをしらないで)

近頃の君を知らないで

(はるはあざやかにいろづいた)

春は鮮やかに色づいた

(どこまでもきみをうばう)

どこまでも君を奪う

(まちはなんどもなんどもきかわって)

町は何度も何度も着替わって

(しだいにひともながれうつろう)

次第に人も流れ移ろう

(たぐりよせたいめーじたどり)

手繰り寄せたイメージ辿り

(すすんでこうすすんでこう)

進んでこう進んでこう

(かけこんだみらいに)

駆け込んだ未来に

(いかされているぼくらは)

生かされている僕らは

(ひびをながめてそだってく)

日々を眺めて育ってく

(いっしょにかわっていくんだと)

一緒に変わっていくんだと

(あけがたまちはまぶしくて)

明け方町は眩しくて

(からだはすこしだけおもかった)

身体は少しだけ重かった

(であいやわかれがまってる)

出会いや別れが待ってる

(こんどはとまらずにいこう)

今度は止まらずに行こう

(たましいむかうほうへと)

たましい向かう方へと