ロハン／へぶんずドア

(へぶんずどあー)

『天国への扉』

(いまこころのとびらはひらかれる)

今心の扉は開かれる

(にんげんのからだにはいままでいきてきたすべてがきおくされている)

人間の体には今まで生きてきた全てが記憶されている

(それはいんたびゅーなどではけっしてえられないひゃくぱーせんとのりある)

それはインタビューなどでは決して得られない100％の「リアル」...

(そのりありてぃこそがさくひんにいのちをふきこむえねるぎー)

その『リアリティ』こそが作品に命を吹き込む『エネルギー』

(ごくじょうのえんたーていめんととなるっ)

極上のエンターテイメントとなるッ！

(はじめましてわたしいずみきょうかですきょうからたんとうに)

はじめまして！私泉京香です今日から担当に！

(ふん)

ふん

(ちゃんとごあいさつしろっていわれたんで)

ちゃんとご挨拶しろって言われたんで

(かえれ)

帰れ

(えーっ)

えーっ......

(こんにちはー)

こんにちはー

(どうしてそうきゅうきょくにまがわるいんだ)

どうしてそう究極に間が悪いんだ

(きみもういいからかえれぼくはいそがしいんだよ)

君　もういいから　帰れ　僕は忙しいんだよ

(またあしたきますからねー)

また明日きますからねー！

(せんせいたんぺんだいにだんよんじゅうごぺーじ)

先生　短編第二弾　45ページ

(くしゃがらっていうのはどうですか)

「くしゃがら」っていうのはどうですか？

(くしゃがら)

『くしゃがら』...？

(おれねししじゅうご)

俺ね...　志士十五

(なんかいっこたんねーんだよおもしれぇだろ)

なんか1個足んねーんだよ　おもしれェだろ？

(まんがかえでしょうぶだよ)

漫画家「絵」で勝負だよ？

(でもよぉことばはぜってーだいじなんだ)

でもよォ　言葉はぜってー大事なんだ

(とうぜんだ)

当然だ

(なんでこのことばがきんしなんだってのが)

なんでこの言葉が禁止なんだってのが

(ぜんぜんわからねーんだよ)

ゼンゼン　分からねーんだよ

(おれはただくしゃがらを)

俺はただ『くしゃがら』を

(くしゃがらしりてーだけだからよぉ)

「くしゃがら」知りてーだけだからよォ

(おいおい)

おい　おい

(めのいろがちがってことばはさかさまそれがこせいだ)

目の色が違って　言葉は逆さま　それが個性だ

(まおはきっといじめられます)

真央はきっとイジめられます

(それがげんじつというものだ)

それが現実というものだ

(まおまお)

真央　真央！

(こっちへきなさい)

こっちへ来なさい

(や～や～や～)

や～！や～！や～！

(まおちゃん)

真央ちゃん！

(ひじょうにきょうみがあるね)

非常に興味があるね

(へぶんずどあー)

『ヘブンズ・ドアー』

(せんせい)

先生！

(まおちゃん)

真央ちゃん

(きっといいやつ)

きっといいヤツ

(おもしろいな)

おもしろいな

(たいわかどの)

たいわかドノ！

(やめろひきかえせ)

やめろ　引き返せ

(むりにきまってんだろこのびちぐそやろうがぁーっ)

無理に決まってんだろ　このビチグソ野郎がァッ！

(おちつけ)

落ち着け！

(いやでも)

いやでも...！

(くしゃがら)

くしゃがら

(へぶんずどあーっ)

ヘブンズ・ドアーッ！

(はーちはちにんこ)

はーちはちにんこ

(どうぞおかえりになられますか)

どうぞ　お帰りになられますか？

(だがことわるぞっこうだ)

だが断る　続行だ

(これはぼくにそなわったのうりょくだ)

これは僕に備わった「能力」だ

(ひとのこころやきおくをほんにしてよむことができる)

人の心や記憶を「本」にして読むことができる

(それをふまえてかくせりふにはりありてぃがでる)

それを踏まえて書くセリフには「リアリティ」が出る

(はいけいがある)

「背景」がある

(いきたせりふになるんだ)

生きたセリフになるんだ

(たとえばだいすきだったまんがをとりあげられたこどもが)

例えば...大好きだった漫画を取り上げられた子供が

(けっきょくらくだいしてじんせいからもおちてどろぼうになる)

結局落第して人生からも落ちて泥棒になる

(あいをちょうだい)

愛を頂戴

(ぴんくだーくのしょうねんだいすきだった)

『ピンクダークの少年』大好きだった...

(おいさしいれだ)

おい！差し入れだ

(うおおおっ)

うおおおッ...！

(すぺしゃるさんくす)

スペシャルサンクス！

(ぼくがけいいをはらうとしたらどくしゃだけだ)

僕が敬意を払うとしたら読者だけだ

(それはいいな)

それはいいな

(はちょうがあうということかもしれない)

『波長が合う』ということかもしれない......

(へぶんずどあー)

ヘブンズ・ドアー

(たいけんでんせつひつようなのはりありてぃだ)

体験　伝説　必要なのはリアリティだ

(とうぜんだ)

当然だ

(かみがみのいかりをかうぞ)

神々の怒りを買うぞ！

(じゃっじをくだすのはきみじゃあない)

ジャッジを下すのは君じゃあない

(だいしょうでんせん)

代償　伝染

(くしゃがら)

くしゃがら

(ぜったいにやばいっ)

絶対にヤバいッ！

(そうだなだが)

そうだな...だが

(へぶんずどあー)

ヘブンズ・ドアー

(このきしべろはんをなめるなよ)

この岸部露伴をなめるなよ

(きしべろはんさまさいとらいなさいますか)

岸部露伴様　再トライなさいますか？

(だがことわるだだがかえる)

だが断る　だだが帰る

(せんせい)

先生！

(てくびのかくどはちょっかくきゅうじゅうどをたもつ)

手首の角度は直角90°を保つ

(かくゆびはまげずにまっすぐをたもつ)

各指は曲げずに真っ直ぐを保つ

(いっぽんずつゆびをおる)

一本ずつ　指を折る

(ふたたびいっぽんずつゆびをひらく)

再び　一本ずつ　指を開く

(いじょうまんがをかくまえのじゅんびたいそうおわり)

以上　漫画を描く前の『準備体操』終わり

(よのなかきみょうなことはぜったいある)

世の中『奇妙なこと』は絶対ある

(とくにきしべろはんのまわりには)

特に岸部露伴の周りには