24年二種テキスト2、11株式会社法概論
問題文
(p8511かぶしきがいしゃほうがいろん11-1かぶしきがいしゃのとくちょう)
p85 11株式会社法概論 11-1株式会社の特徴
(11-2かぶしきとかぶぬしのけんり)
11-2株式と株主の権利
(11-3かぶしきのじょうと11-4かぶしきがいしゃのきかん11-5かいしゃのけいさん)
11-3株式の譲渡11-4株式会社の機関11-5会社の計算
(11-6しんかぶはっこうとしゃさいはっこう11-7そしきのさいへん)
11-6新株発行と社債発行11-7組織の再編
(11-1かぶしきがいしゃのとくちょう1かいしゃのしゅるい4つのかいしゃけいたい)
11-1株式会社の特徴 1会社の種類 4つの会社形態
(かいしゃほうでは、せきにん、そしきのとくちょうといったちがいから、いかの4しゅるいの)
会社法では、責任、組織の特徴といった違いから、以下の4種類の
(かいしゃをみとめています。なお、ほけんがいしゃにみられるそうごがいしゃは)
会社を認めています。なお、保険会社にみられる相互会社は
(かいしゃほうじょうのかいしゃにはふくまれません。)
会社法上の会社には含まれません。
(1かぶしきがいしゃしゃいん(=しゅっししゃ)は、かいしゃのさいむについてしゅっしきんいじょうの)
1株式会社 社員(=出資者)は、会社の債務について出資金以上の
(さいむをおいません(ゆうげんせきにん)。2ごうめいがいしゃしゃいんはかいしゃにたいして)
債務を負いません(有限責任)。2合名会社 社員は会社に対して
(しゅっしぎむをおうだけではなく、かいしゃのさいむについてちょくせつれんたい)
出資義務を負うだけではなく、会社の債務について直接・連帯
(むげんせきにんをおいます。3ごうしがいしゃむげんせきにんしゃいんがさいてい1めいいじょうひつよう。)
・無限責任を負います。3合資会社 無限責任社員が最低1名以上必要。
(このほかにゆうげんせきにんしゃいんが1めいいじょういます。4ごうどうがいしゃ)
このほかに有限責任社員が1名以上います。4合同会社
(しゃいんはゆうげんせきにんしゃいんのみ。あめりかのllc(ゆうげんせきにんがいしゃ)が)
社員は有限責任社員のみ。アメリカのLLC(有限責任会社)が
(もでるとなっています。)
モデルとなっています。
(ごくせつめいそうごがいしゃほけんぎょうほうでほけんがいしゃにのみせつりつがみとめられた)
語句説明 相互会社 保険業法で保険会社にのみ設立が認められた
(かいしゃけいたい。ほけんけいやくしゃひとりひとりがかいしゃのこうせいいんであるしゃいんとなります。)
会社形態。保険契約者一人ひとりが会社の構成員である社員となります。
(ゆうげんせきにんとむげんせきにんじぶんのしゅっしきんいじょうのさいむをおわないのが)
有限責任と無限責任 自分の出資金以上の債務を負わないのが
(ゆうげんせきにんです。いっぽう、むげんせきにんはしゅっしきんいじょうのさいむのしはらいぎむを)
有限責任です。一方、無限責任は出資金以上の債務の支払い義務を
(おうことになります。p86)
負うことになります。 p86
(2かぶしきがいしゃのとくちょうかぶしきがいしゃのとくちょうかぶしきがいしゃは、かぶしきをはっこうして)
2株式会社の特徴 株式会社の特徴 株式会社は、株式を発行して
(しきんをちょうたつしじぎょうをてんかいします。しきんをていきょうしたしゅっししゃはかぶぬしとなり、)
資金を調達し事業を展開します。資金を提供した出資者は株主となり、
(さまざまなけんりがあたえられます。いかにかぶしきがいしゃのとくちょうをきさいします。)
様々な権利が与えられます。以下に株式会社の特徴を記載します。
(1かぶぬしのゆうげんせきにんかぶしきがいしゃにしゅっししたかぶぬしは、かいしゃがさいむを)
1株主の有限責任 株式会社に出資した株主は、会社が債務を
(はらえないばあいでも、かぶぬしがかいしゃさいけんしゃにたいしべんさいのせきにんを)
払えない場合でも、株主が会社債権者に対し弁済の責任を
(おうことはありません。これをかぶぬしゆうげんせきにんのげんそくといいます。)
負うことはありません。これを株主有限責任の原則といいます。
(2しほんきんかいしゃをせつりつするときに、どれだけのしゅっしをかくほするかは)
2資本金 会社を設立するときに、どれだけの出資を確保するかは
(ていかんにさだめます。ていかんとは、かいしゃのもくてきやそしきなどをさだめるきそくが)
定款に定めます。定款とは、会社の目的や組織などを定める規則が
(がいとうします。げんざいは、しほんきん1えんでもかぶしきがいしゃはせつりつかのうです。)
該当します。現在は、資本金1円でも株式会社は設立可能です。
(しほんきんのがくはかぶしきのはらいこみきんがく*はっこうしたかぶしきすうがげんそくですが、)
資本金の額は株式の払込金額×発行した株式数が原則ですが、
(はっこうじにさだめればはらいこみきんがくの2ぶんの1いないはしほんきんに)
発行時に定めれば払込金額の2分の1以内は資本金に
(いれなくてもよいとされています。p87)
入れなくてもよいとされています。 p87
(3かぶしきがいしゃのぶんるいかいしゃほうでは、かぶしきがいしゃをいくつかにくわけしています。)
3株式会社の分類 会社法では、株式会社をいくつかに区分けしています。
((1)だいがいしゃしほんきんのがくが5おくえんいじょうまたはふさいそうがくが)
(1)大会社 資本金の額が5億円以上又は負債総額が
(200おくえんいじょうのかぶしきがいしゃをいいます。だいがいしゃでは、かいけいかんさにんを)
200億円以上の株式会社をいいます。大会社では、会計監査人を
(おかなければなりません。また、だいがいしゃのうちこうかいがいしゃは、)
置かなければなりません。また、大会社のうち公開会社は、
(かんさとういいんかい、しめいいいんかいとう、またはかんさやくかいのうち、いずれを)
監査等委員会、指名委員会等、又は監査役会のうち、いずれを
(おくかせんたくするひつようがあります。)
置くか選択する必要があります。
((2)こうかいがいしゃそのかいしゃがはっこうするかぶしきについて、じょうとのさいに)
(2)公開会社 その会社が発行する株式について、譲渡の際に
(かいしゃのしょうにんがひつようとていかんでさだめていないかいしゃをいいます。)
会社の承認が必要と定款で定めていない会社をいいます。
(こうかいがいしゃでは、かならずとりしまりやくかいをおかなければなりません。また、)
公開会社では、必ず取締役会を置かなければなりません。また、
(ぎけつけんせいげんかぶしきははっこうずみかぶしきそうすうの2ぶんの1いかにおさえる)
議決権制限株式は発行済株式総数の2分の1以下に抑える
(ひつようがあります。)
必要があります。
((3)まませっちがいしゃとりしまりやくかいというきかんをおいているかいしゃは)
(3)○○設置会社 取締役会という機関を置いている会社は
(とりしまりやくかいせっちがいしゃとよばれます。かんさやくかいをおくばあいは)
取締役会設置会社と呼ばれます。監査役会を置く場合は
(かんさやくかいせっちがいしゃといいます。)
監査役会設置会社といいます。
(ごくせつめいしめいいいんかいかぶぬしそうかいにていしゅつするとりしまりやくおよび)
語句説明 指名委員会 株主総会に提出する取締役及び
(かいけいさんよのせんにんかいにんあんをけっていするきかんのこと。)
会計参与の選任・解任案を決定する機関のこと。
(ぎけつけんせいげんかぶしきぎけつけん(かいしゃのけいえいにさんかできるけんり)に)
議決権制限株式 議決権(会社の経営に参加できる権利)に
(せいげんのあるかぶしきのこと。いっさいのじこうにつきぎけつけんがないかぶしき、)
制限のある株式のこと。一切の事項につき議決権がない株式、
(およびいっていのじこうについてのみぎけつけんをゆうするかぶしきをいいます。)
及び一定の事項についてのみ議決権を有する株式をいいます。
(ま*もんだいかぶしきがいしゃにしゅっししたかぶぬしは、かいしゃがさらにしきんを)
○*問題 株式会社に出資した株主は、会社がさらに資金を
(ひつようとしたばあいでもついかしゅっしのぎむはなく、また、かいしゃがさいむを)
必要とした場合でも追加出資の義務はなく、また、会社が債務を
(はらえなくなったとしても、かぶぬしがかいしゃさいけんしゃにたいしべんさいのせきにんを)
払えなくなったとしても、株主が会社債権者に対し弁済の責任を
(おうことはない。せいかいまこれをかぶぬしゆうげんせきにんのげんそくといいます。p88)
負うことはない。 正解○これを株主有限責任の原則といいます。p88
(3かぶしきがいしゃせつりつとていかんせつりつのてつづきかぶしきがいしゃをせつりつするには、)
3株式会社設立と定款 設立の手続き 株式会社を設立するには、
(ほっきにんがていかんをつくってそれにしょめいします。ほっきにんは、1りでもよく、)
発起人が定款をつくってそれに署名します。発起人は、1人でもよく、
(ほうじんでもかまいません。1ていかんのさくせいていかんには、かいしゃのもくてき、しょうごう、)
法人でも構いません。1定款の作成 定款には、会社の目的、商号、
(ほんてんしょざいちなどきさいするひつようがあります。また、ていかんはこうしょうにんの)
本店所在地など記載する必要があります。また、定款は公証人の
(にんしょうをうけなければなりません。ほうりつのさだめたてつづきをふむことで、)
認証を受けなければなりません。法律の定めた手続きを踏むことで、
(だれでもかいしゃせつりつはかのうです。せつりつてつづきにじゅうだいなほうれいいはんが)
誰でも会社設立は可能です。設立手続きに重大な法令違反が
(あったばあいには、かぶぬしととりしまりやく(かいしゃによってはかんさやく、)
あった場合には、株主と取締役(会社によっては監査役、
(しっこうやく、せいさんにんも)はかいしゃせつりつのむこうをしゅちょうできます。なお、)
執行役、清算人も)は会社設立の無効を主張できます。なお、
(せつりつとうきのひから2ねんいないにさいばんしょへうったえるひつようがあります。)
設立登記の日から2年以内に裁判所へ訴える必要があります。
(2せつりつのしゅるいかぶしきがいしゃのせつりつには、ほっきにんせつりつとぼしゅうせつりつが)
2設立の種類 株式会社の設立には、発起人設立と募集設立が
(あります。(1)ほっきせつりつほっきにんがかいしゃせつりつじにはっこうするかぶしきの)
あります。(1)発起設立 発起人が会社設立時に発行する株式の
(ぜんぶをひきうけるせつりつほうほうです。(2)ぼしゅうせつりつかいしゃせつりつじに)
全部を引き受ける設立方法です。(2)募集設立 会社設立時に
(はっこうするかぶしきのいちぶをほっきにんがひきうけ、のこりをかぶぬしぼしゅうによって)
発行する株式の一部を発起人が引き受け、残りを株主募集によって
(ひきうけてもらうせつりつほうほうです。)
引き受けてもらう設立方法です。
(3とりしまりやくのせんにんかぶしきぜんぶについて、しゅっしきんがくのりこうがかんりょうすると、)
3取締役の選任 株式全部について、出資金額の履行が完了すると、
(とりしまりやくをせんにんします。せんにんされたとりしまりやくは、かいしゃのせつりつがてきせいに)
取締役を選任します。選任された取締役は、会社の設立が適正に
(おこなわれたかどうかをちょうさします。4とうきてつづきがかんりょうするとせつりつの)
行われたかどうかを調査します。4登記 手続きが完了すると設立の
(とうきをおこないます。とうきによりかいしゃはせいりつし、ほうじんかくがみとめられます。)
登記を行います。登記により会社は成立し、法人格が認められます。
(ま*もんだいかぶしきがいしゃのせつりつのむこうをしゅちょうできるのは、)
○*問題 株式会社の設立の無効を主張できるのは、
(かぶぬしだけである。せいかい*かぶぬしのほか、とりしまりやくがむこうを)
株主だけである。正解 *株主のほか、取締役が無効を
(しゅちょうできます。また、かいしゃけいたいによってはかんさやくなどもしゅちょうかのうです。p89)
主張できます。また、会社形態によっては監査役なども主張可能です。p89
(11-2かぶしきとかぶぬしのけんり1かぶしきのぶんかつ、へいごうなど)
11-2株式と株主の権利 1株式の分割、併合など
(かぶしきのぶんかつ、へいごう、しょうきゃくかいしゃは、それぞれのもくてきをもって)
株式の分割、併合、消却 会社は、それぞれの目的をもって
(かぶしきのぶんかつ、へいごうなどをじっしすることがあります。)
株式の分割、併合などを実施することがあります。
(1かぶしきのぶんかつ1かぶをわけてふくすうのかぶしきにすること(れい:1かぶを)
1株式の分割 1株を分けて複数の株式にすること(例:1株を
(2かぶにすること)をかぶしきのぶんかつといいます。かぶしきをぶんかつすることで)
2株にすること)を株式の分割といいます。株式を分割することで
(かぶすうはぞうかしますが、1かぶあたりのじっしつてきかちはちいさくなります。)
株数は増加しますが、1株当たりの実質的価値は小さくなります。
(かぶしきのぶんかつは、げんそくとしてとりしまりやくかいのけつぎでけっていします。)
株式の分割は、原則として取締役会の決議で決定します。
(2かぶしきのへいごうふくすうのかぶしきをまとめて、それよりちいさいかずのかぶしきに)
2株式の併合 複数の株式をまとめて、それより小さい数の株式に
(すること(れい:2かぶを1かぶにすること)をかぶしきのへいごうといいます。)
すること(例:2株を1株にすること)を株式の併合といいます。
(かぶしきをへいごうすることではっこうずみかぶしきすうはへりますが、1かぶあたりの)
株式を併合することで発行済株式数は減りますが、1株当たりの
(じっしつてきかちはおおきくなります。かぶしきのへいごうは、かぶぬしそうかいの)
実質的価値は大きくなります。株式の併合は、株主総会の
(とくべつけつぎがひつようです。)
特別決議が必要です。
(3かぶしきむしょうわりあてあらたなはらいこみなしでかぶぬしにかぶしきをむしょうでわりあてることを)
3株式無償割当 新たな払い込なしで株主に株式を無償で割り当てることを
(かぶしきむしょうわりあてといいます。かぶしきむしょうわりあては、ていかんにとくべつに)
株式無償割当といいます。株式無償割当は、定款に特別に
(さだめがなければ、げんそくとしてとりしまりやくかいのけつぎでけっていします。)
定めがなければ、原則として取締役会の決議で決定します。
(4かぶしきのしょうきゃくはっこうしているかぶしきをなくしてしまうことをかぶしきの)
4株式の消却 発行している株式をなくしてしまうことを株式の
(しょうきゃくといいます。しょうきゃくによってはっこうずみかぶしきすうはげんしょうします。)
消却といいます。消却によって発行済株式数は減少します。
(かぶしきのしょうきゃくは、げんそくとしてとりしまりやくかいのけつぎでけっていします。)
株式の消却は、原則として取締役会の決議で決定します。
(ま*もんだいかぶしきをぶんかつしても1かぶあたりのじっしつてきかちはかわらない。)
○*問題 株式を分割しても1株当たりの実質的価値は変わらない。
(せいかい*かぶしきをぶんかつすることでかぶすうはぞうかしますが、1かぶ)
正解 *株式を分割することで株数は増加しますが、1株
(あたりのじっしつてきかちはちいさくなります。p90)
当たりの実質的価値は小さくなります。 p90