勇者/YOASOBI

(まるでおとぎのはなし)

まるで御伽の話

(おわりむかえたあかし)

終わり迎えた証

(ながすぎるたびじからきりだしたいっせつ)

長過ぎる旅路から切り出した一節

(それはかつてこのちに)

それはかつてこの地に

(かげをおとしたあくを)

影を落とした悪を

(うちとりしゆうしゃとのみじかいたびのきおく)

討ち取りし勇者との短い旅の記憶

(ものがたりはおわり)

物語は終わり

(ゆうしゃはねむりにつく)

勇者は眠りにつく

(おだやかなにちじょうをこのちにのこして)

穏やかな日常をこの地に残して

(ときのながれはむじょうにひとをわすれさせる)

時の流れは無情に人を忘れさせる

(そこにいきたきせきも)

そこに生きた軌跡も

(さびついていく)

錆び付いていく

(それでもきみのことばもねがいもゆうきも)

それでも君の言葉も願いも勇気も

(いまもたしかにわたしのなかでいきている)

今も確かに私の中で生きている

(おなじみちをえらんだ)

同じ途を選んだ

(それだけだったはずなのに)

それだけだったはずなのに

(いつのまにかどうして)

いつの間にかどうして

(ほほをつたうなみだのわけをもっと)

頬を伝う涙の理由をもっと

(しりたいんだいまさらだって)

知りたいんだ 今更だって

(ともにあゆんだたびじをたどれば)

共に歩んだ旅路を辿れば

(そこにきみはいなくとも)

そこに君は居なくとも

(きっとみつけられる)

きっと見つけられる

(ものがたりはつづく)

物語は続く

(ひとりのたびへとたつ)

一人の旅へと発つ

(たちよるまちでであうひとの)

立ち寄る街で出会う人の

(きおくのなかにのこるきみは)

記憶の中に残る君は

(あいもかわらずおひとよしで)

相も変わらずお人好しで

(かっこつけてばかりだね)

恰好つけてばかりだね

(あちらこちらにつくったしんぼるは)

あちらこちらに作ったシンボルは

(かちとったへいわのあかし)

勝ち取った平和の証

(それすらみらいでいつか)

それすら 未来でいつか

(わたしがひとりにならないように)

私が一人にならないように

(あのたびをおもいだせるように)

あの旅を思い出せるように

(のこされためじるし)

残された目印

(まるでおとぎのはなし)

まるで御伽の話

(おわりむかえたあかし)

終わり迎えた証

(わたしをかえたであい)

私を変えた出会い

(ひゃくぶんのいちのたびじ)

百分の一の旅路

(きみのゆうきをいつかかぜがさらって)

君の勇気をいつか風がさらって

(だれのきおくからきえてしまっても)

誰の記憶から消えてしまっても

(わたしがみらいにつれていくから)

私が未来に連れて行くから

(きみのてをとった)

君の手を取った

(あのひすべてはじまった)

あの日全て始まった

(くだらなくて)

くだらなくて

(おもわずふっとわらってしまうような)

思わずふっと笑ってしまうような

(ありふれたじかんがいまもまぶしい)

ありふれた時間が今も眩しい

(しりたいんだいまさらだって)

知りたいんだ 今更だって

(ふりかえるとそこにはいつでも)

振り返るとそこにはいつでも

(やさしくほほえみかけるきみがいるから)

優しく微笑みかける君がいるから

(あらたなたびのはじまりはきみがまもりぬいたこのちにめぶいたいのちとともに)

新たな旅の始まりは君が守り抜いたこの地に芽吹いた命と共に