パズル/五十嵐ハル

(なりたいものになれやしない)

なりたいものになれやしない

(これが「いきる」というやつかい？)

これが「生きる」というやつかい?

(あこがれていたじんせいは)

憧れていた人生は

(きょうもだんだんとおざかっていく)

今日もだんだん遠ざかっていく

(「しょうもないおとなになりたくない」)

「しょうもない大人になりたくない」

(「えがおでまいにちすごしたい」)

「笑顔で毎日過ごしたい」

(あれなんでおかしいね)

あれなんでおかしいね

(ぜんぶまぎゃくになったようだ)

全部真逆になったようだ

(ちゅうやのぎゃくてんはとまんない)

昼夜の逆転は止まんない

(げつようびはまじでしにたい)

月曜日はまじで死にたい

(ぼやいたってけっきょくはなにもできないままだな)

ボヤいたって結局は何も出来ないままだな

(「むりだよ。」とはやくおそわりたかった)

「無理だよ。」と早く教わりたかった

(うまくいきることむいてないもんな)

上手く生きること向いてないもんな

(いまぱずるがばらばらこわれちゃって)

いまパズルがバラバラ壊れちゃって

(わらえるくらいのよゆうもなくて)

笑えるくらいの余裕もなくて

(さいこうきゅうにさいていなまいにちばっかすごしてんだ)

最高級に最低な毎日ばっか過ごしてんだ

(それでもなぜかきたいしちゃって)

それでも何故か期待しちゃって

(いきてていいとかおもいたくて)

生きてて良いとか思いたくて

(くうそうじょうのすとーりーをそっとえがいてきょうがおわっていく)

空想上のストーリーをそっと描いて今日が終わっていく

(よなかの３じにべっどにはいってせいとはなにかをかんがえて)

夜中の3時にベッドに入って生とは何かを考えて

(おきたらおきたでそんなひまもなくなんだかすりへってっちゃって)

起きたら起きたでそんな暇もなく何だか擦り減ってっちゃって

(いっそかんじょうなんてものがなければすこしはらくだったかな)

いっそ感情なんてものがなければ少しは楽だったかな

(ふりだしにもどるさいころとかないか？)

振り出しに戻るサイコロとかないか?

(うまくいきるまほうてにいれたいもんだ)

上手く生きる魔法手に入れたいもんだ

(なんてな)

なんてな

(たりなくて)

足りなくて

(ぱっとしないのくりかえし)

ぱっとしないの繰り返し

(やすみのおわりはむかむかしてんだ)

休みの終わりはムカムカしてんだ

(かなしいことばかりだねもうずいぶんなれてしまった)

悲しいことばかりだねもう随分慣れてしまった

(ねぇせかいがきらいだようまれのなんいどちがいすぎんだ)

ねぇ世界が嫌いだよ生まれの難易度違いすぎんだ

(かねがほしいあいがほしい)

金がほしい 愛がほしい

(なにもないもんな)

何もないもんな

(いまぱずるがばらばらこわれちゃって)

いまパズルがバラバラ壊れちゃって

(わらえるくらいのよゆうもなくて)

笑えるくらいの余裕もなくて

(さいこうきゅうにさいていなまいにちばっかすごしてんだ)

最高級に最低な毎日ばっか過ごしてんだ

(なみだばかりじゃいられなくて)

涙ばかりじゃいられなくて

(ほねがおれるまであるきたくて)

骨が折れるまで歩きたくて

(じべたをはったすとーりーをそっとえがいてきょうもいきていく)

地べたを張ったストーリーをそっと描いて今日も生きていく