青、その他

(まなつのにゅうどうぐものむこう)

真夏の入道雲の向こう

(あくりるえのぐのさちゅれーしょん)

アクリル絵の具のサチュレーション

(あおそのほか)

青、その他

(よこぎるきゅうてんちょっかのしがいせん)

横切る急転直下の紫外線

(ぼくらのきぼうとぜつぼうと)

僕らの希望と絶望と

(いいかけのねがい)

いいかけの願い

(おもいでなんかじゃきっとおわれない)

思い出なんかじゃきっと終われない

(ぼくらのことばのしゅちゅえーしょん)

僕らの言葉のシュチュエーション

(あおそれとも)

青、それとも

(まふゆのこおりのうみをわたって)

真冬の氷の海を渡って

(はるまでまてないわたりどり)

春まで待てない渡り鳥

(ぼくはひとり)

僕は一人

(きみはだまりこんだ)

君は黙り込んだ

(あのなつをおいて)

あの夏をおいて

(さよならもいえないくらい)

「さよなら。」も言えないくらい

(はやすぎたやくそく)

早すぎた約束

(そのまま)

そのまま

(とべないこともずっとしらないままとべるんだ)

飛べないこともずっと知らないまま飛べるんだ

(あのひのきみがもういない)

あの日の君がもういない

(ぼくなりのせっけいずのひこうきじゃとどかない)

僕なりの設計図の飛行機じゃ届かない

(とべないとりはとべないとりだ)

飛べない鳥は飛べない鳥だ

(またすきまにかげおちてくすみでかいた)

また隙間に陰落ちてく炭で描いた

(またなぞってけずるぱんくずくりかえした)

またなぞって削るパンくず繰り返した

(ゆめよりせんめいだったとおもった)

夢より鮮明だったと思った

(ほうかごさしこんだにしびは)

放課後差し込んだ西日は

(あおそのさき)

青、その先

(よごれたかーてんちょっとはためいて)

汚れたカーテンちょっとはためいて

(あぶらえのぐのにおいがまう)

油絵の具のにおいが舞う

(きみとふたり)

君と二人

(きゃんばすにはそっとじゆうがとびちった)

キャンバスにはそっと自由が飛び散った

(けしてとめられないひかり)

けして止められない光

(とじこめたいいろどりかさねて)

閉じ込めたい彩り重ねて

(となりでいえないけどずっとそうだった)

隣で言えないけどずっとそうだった

(すきだった)

好きだった

(あのころぼくはもうちがう)

あの頃僕はもう違う

(にせもののしたがきはすてたんだ)

偽物の下書きは捨てたんだ

(ほんとうのこといえないうそは)

本当のこと言えない嘘は

(いえないうそだ)

言えない嘘だ

(きょうでさいごそうきょうでさいご)

今日で最後そう今日で最後

(とべないこともずっとしらないまま)

飛べないこともずっと知らないまま

(あのひのぼくはもう)

あの日の僕はもう

(にせもののしたがきはすてたんだほんとうのこと)

偽物の下書きは捨てたんだ本当のこと

(きょうでさいごなんだ)

今日で最後なんだ

(となりでいえないままずっとそうだったすきだった)

隣で言えないままずっとそうだった好きだった

(あのひのぼくはもういない)

あの日の僕はもういない

(にせもののしたがきはすてたんだ)

偽物の下書きは捨てたんだ

(ほんとうのこといえないうそは)

本当のこと言えない嘘は

(きょうでさいごなんだ)

今日で最後なんだ