聖者の行進

(ぱっとみきれいなこうふくのぎそうめっきがはがれおちた)

パッと見綺麗な幸福の偽装　メッキが剥がれ落ちた

(いちまいのうすかわへだてたさきでぐろいものがなんかうめいていた)

一枚の薄皮隔てた先で　グロいものがなんか呻いていた

(にんげんのあいだにちんでんしたどすぐろいものがぼうはつするひ)

人間の間に沈殿した　どす黒いものが暴発する日

(それにずっとおびえるぼくたちはかんまんなしのさなかにあるみたいだ)

それにずっと怯える僕たちは　緩慢な死の最中にあるみたいだ

(むりょくをのろうこえとすくいをいのるこえがまざったようなうたがきこえる)

無力を呪う声と　救いを祈る声が　混ざったような歌が聞こえる

(すべてのみこんでしまうようにすすんでゆくせいじゃのこうしん)

全て飲み込んでしまうように　進んでゆく聖者の行進

(よわいぼくらさえもゆるしてつれさってしまう)

弱い僕らさえも赦して　連れ去ってしまう

(はかいでもなくきゅうさいでもなくすべてをならすせいじゃのこうしん)

破壊でもなく救済でもなく　全てを均す聖者の行進

(うちのめされたぼくらのうれいをはらってくれなあ)

打ちのめされた僕らの　憂いを払ってくれ、なぁ

(どうしてぼくたちのこうふくのたねはいっこうにめぶかないの)

どうして僕たちの幸福の種は一向に芽吹かないの？

(いったいどれくらいのくらいやみのそこでないてもがいてすごしたらいい)

一体どれくらいの暗い闇の底で　泣いてもがいて過ごしたらいい？

(やまづみのふこうのうえにたつ)

山積みの不幸の上に立つ

(みせかけのりそう、うすらさむいね)

見せかけの理想、薄ら寒いね

(へいおんなひびはかえってこない)

平穏な日々は帰ってこない

(ねっきょうをもたらすぼくらのまーちんぐばんど)

熱狂をもたらす僕らのマーチングバンド

(うぶごえをあげたひからかなしみをしったひから)

産声を上げた日から　悲しみを知った日から

(ぼくらはすりきれていった)

僕らは擦り切れていった

(むりょくをのろうこえとすくいをいのるこえが)

無力を呪う声と　救いを祈る声が

(まざったようなうたがきこえる)

混ざったような歌が聞こえる

(すべてのみこんでしまうようにすすんでゆくせいじゃのこうしん)

全て飲み込んでしまうように　進んでゆく聖者の行進

(よわいぼくらさえもゆるしてつれさってしまう)

弱い僕らさえも赦して　連れ去ってしまう

(むかうさきでまっているのがらくえんだろうがじごくだろうが)

向かう先で待っているのが　楽園だろうが地獄だろうが

(このぱれーどはすすみつづけるだけ)

このパレードは進み続けるだけ

(いかりやかなしみのうたをうたいながら)

怒りや悲しみの歌を歌いながら

(ばっこするあくまをふみつぶしてふるえるしんぞうがとまってしまうまで)

跋扈する悪魔を踏み潰して　震える心臓が止まってしまうまで