可愛いあの子が気にゐらない

(めぶきだしてるあのこのはるに)

芽吹きだしてるあの子の春に

(きづかないほどにぶくはないわ)

気付かないほど鈍くはないわ

(じこうはずれのれんぼがもたらす)

時効外れの恋慕がもたらす

(きせつはずれのねっちゅうしょうよ)

季節外れの熱中症よ

(ああそのかみの)

ああ　その髪の

(ふとかおるかんびにみせられて)

ふと香る甘美に魅せられて

(ほらもうとっくにておくれです)

ほら　もうとっくに手遅れです

(もうどっくんどっくんです)

もう　どっくん　どっくん　です

(かわいいあのこがきにいらない)

可愛いあの子が気に入らない

(なやめるまつげとこいするおとめの)

悩める睫毛と恋する乙女の

(ひとみをわたしはみのがさない)

瞳を私は見逃さない

(ともだちなんかになりたくない)

友達なんかになりたくない

(どうしていとしいのそれでいて)

どうして愛しいの　それでいて

(どうしてこんなにくらしいの)

どうしてこんな憎らしいの

(あおいはるにさくあのこがきにいらない)

青い春に咲くあの子が気に入らない

(わたしのなかのさかないこいを)

私の中の咲かない恋を

(うちあけるほどみじゅくじゃないわ)

打ち明けるほど未熟じゃないわ

(そのすましたまゆげうごくとこ)

そのすました眉毛動くとこ

(みてみたいとおもいはしますが)

見てみたいと思いはしますが

(ああこのねつがつたわってしまうようなきがして)

ああ　この熱が伝わってしまうような気がして

(そのゆびさきにふれることも)

その　指先に触れることも

(まだおっくうおっくうです)

まだ　億劫　億劫　です

(ふたりにまじわるおもいはない)

二人に交わる想いは無い

(あなたのこいするひとみがすきです)

あなたの恋する瞳が好きです

(わたしのおもいはすくわれない)

わたしの想いは救われない

(ともだちなんかになりたくないのになあ)

友達なんかになりたくないのになあ

(ああそのくちびるに)

ああ　その唇に

(にどとわすれられぬこうさんを)

二度と忘れられぬ『　降参　』　を

(かわいいあのこがきにいらない)

可愛いあの子が気に入らない

(なやめるまつげとこいするおとめの)

悩める睫毛と恋する乙女の

(ひとみをわたしはみのがさない)

瞳を私は見逃さない

(ともだちなんかになりたくない)

友達なんかになりたくない

(かわいいあのこがきにいらない)

可愛いあの子が気に入らない

(どうにもあのこがきにいらない)

どうにもあの子が気に入らない

(どうしていとしいのそれでいて)

どうして愛しいの　それでいて

(どうしてこんなにくらしいの)

どうしてこんな憎らしいの

(あおいはるにさくあのこがきにいらない)

青い春に咲くあの子が気に入らない

(かわいいあのこのこいよみのってしまえ)

可愛いあの子の恋よ　実ってしまえ