渦幕

(おやすみはいわないでおねがい)

おやすみは言わないでお願い

(きれいなよるがにじんでく)

綺麗な夜が滲んでく

(むねにたまるなみだはぬぐえずに)

胸に溜まる涙は拭えずに

(かめんのなかでおぼれている)

仮面の中で溺れている

(びょうしんをもどしてもいつかは)

秒針を戻してもいつかは

(おなじゆびをさがしてしまうだろうか)

同じ指を探してしまうだろうか

(すりきるほどほんとうってしんじたら)

擦り切るほど本当って信じたら

(きょこうさえしんじつへかわるかな)

虚構さえ真実へ変わるかな

(ままならないねがいいだいて)

ままならない願い抱いて

(ああかなしいだけどいとしい)

嗚呼哀しいだけど愛しい

(できそこないのあいあい)

出来損ないの愛　愛

(きゅうくつにおびえるようにせかいをおよいでる)

窮屈に怯えるように世界を泳いでる

(わたしたちにげきれない)

私たち逃げ切れない

(もうきっともどれない)

もうきっと戻れない

(うんめいにあらがうようにもがいてうずのなか)

運命に抗うようにもがいて渦の中

(おなじつみをかさねた)

同じ罪を重ねた

(ふたりなのにわたしだけがなぜ)

二人なのに私だけがなぜ

(ないてるの)

泣いてるの

(まわするーれっとじんせいのぼーどげーむ)

回すルーレット人生のボードゲーム

(たったひとつのあかぬせき)

たった一つの空かぬ席

(てをたたくだれかのごーるらいん)

手をたたく誰かのゴールライン

(かめんのなかでひきつったえみ)

仮面の中で引き攣った笑み

(びょうしんをもどしてもいつかは)

秒針を戻してもいつかは

(きみのむねのおとへとすいこまれてしまう)

君の胸の音へと吸い込まれてしまう

(もちあわせのたいおんじゃたりなくて)

持ち合わせの体温じゃ足りなくて

(まにあわせのあいじょうじゃむなしくて)

間に合わせの愛情じゃ虚しくて

(ままならないねがいをかくして)

ままならない願いを隠して

(ああいとしいだからかなしい)

嗚呼愛しいだから哀しい

(せかいがおわればいい)

世界が終わればいい

(やりなおしうまれなおし)

やり直し産まれなおし

(まっしろからそめて)

真っ白から染めて

(わたしたちにげきれない)

私たち逃げ切れない

(もうきっともどれない)

もうきっと戻れない

(ひつぜんにさからうようにあがいて)

必然に逆らうように足掻いて

(ふたりのうずを)

二人の渦を

(ああただしいだけじゃむなしい)

嗚呼正しいだけじゃ虚しい

(できそこないのあいあい)

出来損ないの愛　愛

(きゅうくつにおびえるからだ)

窮屈に怯える体

(みらいをもとめてる)

未来を求めてる

(あいからしこころからし)

アイ枯らしココロ枯らし

(えいえんをえがいてる)

永遠を描いてる

(なきがらにきすをするように)

亡骸にキスをするように

(じゅんしんがほしいだけ)

純真が欲しいだけ

(おなじつみをかさねた)

同じ罪を重ねた

(ふたりなのにわたしだけがなぜ)

二人なのに私だけがなぜ

(ないてるの)

泣いてるの

(おなじうずでおぼれて)

同じ渦で溺れて

(いきつぎもできずしずむいつか)

息継ぎも出来ず沈むいつか

(おりるまく)

下りる幕