素浪人ファーストアウト

(きょうはとくべつさむさがみにこたえ)

今日は特別寒さが身にこたえ

(みまわりするにもなかなかふみきれず)

見回りするにもなかなか踏み切れず

(さあでかけるでござる)

さあ出かけるでゴザル

(もんつきのえりをたてて)

紋付の襟を立てて

(もうでかけなくちゃしゅっせにひびいてござるよ)

もう出かけなくちゃ出世に響いてゴザルよ

(らんせもしずまりかたなのみもさびた)

乱世も静まり刀の身も錆びた

(きのうのいくさもはいくでよむほどに)

昨日の戦も俳句で詠む程に

(いまじゃちょうにんたちのそろばんのおとがひびく)

今じゃ町人たちのそろばんの音が響く

(あああくびもでるさ)

あゝ欠伸も出るさ

(なまくらざむらいでござる)

ナマクラザムライでゴザル

(ろーにんろーにんろーにんろーにんさむらい)

ローニンローニンローニンローニンサムライ

(おはらいばこだよとうとう)

おはらい箱だよとうとう

(せっしゃだけじゃないたくさん)

拙者だけじゃないたくさん

(ろーにんろーにんろーにんろーにんさむらいだらけさ)

ローニンローニンローニンローニンサムライだらけさ

(おんぼろながやで)

おんぼろ長屋で

(まわりをみわたせば)

まわりを見渡せば

(となりのむすめのうなじのしどけなさ)

となりの娘のうなじのしどけなさ

(すべてをなげだして)

すべてを投げ出して

(さけとおんなにおぼれ)

酒と女に溺れ

(おちぶれたどうしが)

落ちぶれた同士が

(まぶたにうかぶでござった)

瞼に浮かぶでゴザった

(ろーにんろーにんろーにんろーにんさむらい)

ローニンローニンローニンローニンサムライ

(あくじもできないぜんぜん)

悪事もできない全然

(せっしゃのあしたはなんだい)

拙者の明日はなんだい

(ろーにんろーにんろーにんろーにんさむらいだらけさ)

ローニンローニンローニンローニンサムライだらけさ

(ろーにんろーにんろーにんろーにんさむらい)

ローニンローニンローニンローニンサムライ

(おはらいばこだよとうとう)

お払い箱だよとうとう

(せっしゃだけじゃないたくさん)

拙者だけじゃないたくさん

(ろーにんろーにんろーにんろーにんさむらいだらけさ)

ローニンローニンローニンローニンサムライだらけさ

(ろーにんろーにんろーにんろーにんさむらい)

ローニンローニンローニンローニンサムライ

(あくじもできないぜんぜん)

悪事もできない全然

(せっしゃのあしたはなんだい)

拙者の明日はなんだい

(ろーにんろーにんろーにんろーにんさむらいだらけさ)

ローニンローニンローニンローニンサムライだらけさ