水上バス

(かったばかりのぺだるを)

買ったばかりのペダルを

(いききらせてこいではさんばしへとむかう)

息切らせて漕いでは桟橋へと向かう

(しんこきゅうですいこんだかぜはすこしせきゆのにおいがして)

深呼吸で吸い込んだ風は　少し石油の匂いがして

(そのおおきなかわにながれてた)

その大きな川に流れてた

(きみをまってるてもちぶさたに)

君を待ってる　手持ち無沙汰に

(ぼんやりしたしあわせがみちてく)

ぼんやりした幸せが満ちてく

(むこうぎしからゆるいすぴーどで)

向こう岸から　ゆるいスピードで

(ちかづいてくるみずしぶきはきみかな？)

近づいてくる水飛沫は君かな？

(すいじょうばすのなかからぼくをみつけて)

水上バスの中から僕を見つけて

(かんこうきゃくにまじってわらっててをふる)

観光客に混じって笑って手を振る

(そんなすきとおったけしきをぼくのぜんぶでまもりたいとおもった)

そんな透き通った景色を　僕の全部で守りたいと思った

(きみのせてこぐぺだるにかーらじおなんてないから)

君乗せて漕ぐペダルにカーラジオなんてないから

(ぼくがうたってた)

僕が歌ってた

(そのめろでぃーにしのばせて)

そのメロディーに忍ばせて

(いとしさのぜんぶをかぜにたなびかせてうたってた)

いとしさの全部を　風に棚引かせて歌ってた

(「このあいだぐうぜんみつけたんだよ)

「この間偶然見つけたんだよ

(あたらしいかふぇきっときにいるよ」)

新しいカフェ　きっと気に入るよ」

(きみとすごすひのことをいつでも)

君と過ごす日のことをいつでも

(しみゅれーとしてこのまちでくらしてるんだ)

シミュレートしてこの街で暮らしてるんだ

(ゆうひがまどぎわのぼくらにそそぎ)

夕日が窓際の僕らに注ぎ

(きみはさらにきれいなかげをみにつける)

君は更に綺麗な影を身につける

(きみへのおもいがあばれだす)

君への思いが暴れだす

(くるおしいほどだきしめたいとおもった)

狂おしいほど抱きしめたいと思った

(かわのながれのようにあいはときに)

川の流れのように愛は時に

(あれくるっておたがいのあしをすくいはじめる)

荒れ狂ってお互いの足をすくいはじめる

(ぼくがわるいんじゃないでもきみのせいじゃない)

僕が悪いんじゃない　でも君のせいじゃない

(「さよなら」をえらんだきみはおそらくただしい)

「さよなら」を選んだ君はおそらく正しい

(かなしみがみちてく)

悲しみが満ちてく

(ぼくはまってるきょうもまってる)

僕は待ってる　今日も待ってる

(おもいでのなかにこころをひたして)

想い出の中に心を浸して

(すいじょうばすのなかからぼくをみつけて)

水上バスの中から僕を見つけて

(かんこうきゃくにまじってわらっててをふる)

観光客に混じって笑って手を振る

(そんなおだやかなけしきをまきもどすように)

そんな穏やかな景色を巻き戻すように

(かわのながれにそって)

川の流れに沿って

(ひとりぺだるをこいで)

ひとりペダルを漕いで