エス/鏡音リン

(いたんだかなそんなひとみもそれでいいかな)

痛んだかな　そんな瞳もそれでいいかな

(おかしいなぼくもすこしいたいみたい)

おかしいな　僕も少し痛いみたい

(しょうねんたちにゃわからない)

少年たちにゃ分からない

(あまいじかんもたくさんあったよ)

甘い時間も沢山あったよ

(たんじゅんだねほんとに)

単純だね、ホントに

(てれるはなしだね)

照れる話だね

(きおくとともにすてていくのは)

記憶と共に捨てていくのは

(こよいとあいなるべくそうろう)

今宵と相なるべくそうろう

(むかしばなしはここまでにして)

昔話はここまでにして

(うらむならよるをうらんでいけ)

恨むなら　夜を恨んでいけ

(かれてしまえばみずはいらない)

離れてしまえば水はいらない

(ただただひびをなぞる)

ただ、ただ、日々をなぞる

(おなじせかいをみていためせん)

同じ世界を見ていた目線

(かなうなら)

叶うなら

(いたんだかな)

痛んだかな

(きっとぼくらはそれでいいんだな)

きっと僕らはそれでいいんだな

(おかしいなそれもいとしいことみたい)

おかしいな　それも愛しいことみたい

(しょうねんたちにゃわからない)

少年たちにゃ分からない

(わらえないじけんもそりゃあったよ)

笑えない事件もそりゃあったよ

(そういうとこかくしてものしりがおしてんだ)

そう言うとこ隠して物知り顔してんだ

(すてゆくきみをふたたびみるは)

捨て行くきみを再び見るは

(こよい、こよいかといくせいそう)

今宵、今宵かと幾星霜

(いわんやきみのしらせをきいて)

いわんや君の知らせを聞いて

(うらみをわすれてみだした)

恨みを忘れて乱した

(すぎてしまえばうたかたのゆめ)

過ぎてしまえば泡沫の夢

(ただ、ただいみをそえて)

ただ、ただ意味を添えて

(あたかもそれがいのちみたいに)

あたかもそれが命みたいに

(しらんでいく)

白んでいく

(しょうねんたちにゃわからない)

少年たちにゃ分からない

(ひどくさくざつなじじょうなんだよ)

ひどく錯雑な事情なんだよ

(そうはきだすそのじつ)

そう吐き出すその実

(ちょっとゆらいでいるのさ)

ちょっと揺らいでいるのさ

(きおくとともにすてていくのはこよいとあいなるべくそうろう)

記憶とともに捨てていくのは　今宵と相なるべくそうろう

(むかしばなしはここまでにしてうらむならよるをうらんでいけ)

昔話はここまでにして　恨むなら夜を恨んでいけ

(かれてしまえばみずはいらない)

離れてしまえば水はいらない

(ただただひびをなぞる)

ただ、ただ、日々をなぞる

(おなじせかいをみていためせんかなうなら)

同じ世界を見ていた目線　叶うなら

(はなしもおわりみちくさわたり)

話も終わり　道草渡り

(あかつきがそらをさとしてく)

暁が空を諭してく

(じぶんのようでだれかのようなこえがしたひがしのあさひ)

自分のようで誰かのような　声がした東の朝陽

(おもしろいほどなすすべもないただただぼくはいきる)

面白いほどなす術もないただ、ただ僕は生きる

(あたかもそれがいのちみたいに)

あたかもそれが命みたいに

(しらんでく)

白んでく