クジラ病棟の或る前夜
空白・括弧はなし。
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歌詞(問題文)
(ねえ、さいごにはなしをしよう)
「ねえ、最後に話をしよう」
(はいいろのくだ、つながったきみのくちもと)
灰色の管、繋がった君の口元
(そうだ、すこしたよりないような、)
「そうだ、少し頼りないような、
(きみのへたなうた、すきだったよ)
君の下手な歌、好きだったよ」
(すすけたかーてんにかこわれ、)
煤けたカーテンに囲われ、
(よなかのひみつみたい。)
夜中の秘密みたい。
(きかいにのまれてく)
機械に飲まれてく
(きみのち、はくいき、しんぞうのね。)
君の血、吐く息、心臓の音。
(それでも、うつくしいね。)
それでも、美しいね。
(いみもなく、なぞるように)
意味もなく、なぞるように
(なまえをよびあって)
名前を呼び合って
(さいごのよるのやくそくくるまいすのはなよめ)
最後の夜の約束 車椅子の花嫁
(きみにあいされていきてこれたこと、)
「君に愛されて生きてこれたこと、
(とてもしあわせにおもうの。)
とても幸せに思うの。
(だからなかないで、ねえ)
だから泣かないで、ねえ」
(ほら、きみがすきだっていった、)
「ほら、君が好きだって言った、
(えいがのおわりも、こんなふうだったね)
映画の終わりも、こんな風だったね」
(ちょっとりかしつみたいなにおい。)
「ちょっと理科室みたいな匂い。
(なかがよかったこ、どうしてるかな)
仲が良かった子、どうしてるかな」
(にどときせつはめぐらない。)
二度と季節は巡らない。
(にどとぺーじはめくられない。)
二度とページはめくられない。
(みずもはいてしまうはなたばは、ねむったまま。)
水も吐いてしまう花束は、眠ったまま。
(くろいそら、おちてくるわるいゆめをみた。)
黒い空、堕ちてくる 悪い夢を見た。
(なみだのうみにしずんでく、ぼくのまちのゆめをみた。)
涙の海に沈んでく、僕の街の夢を見た。
(きっとなにひとつ、ゆめなんかじゃなかった。)
きっと何一つ、夢なんかじゃなかった。
(ゆめのなかでもきみだけは、いつもただしかった。)
夢の中でも君だけは、いつも正しかった。
(はりつめたさいれんと、きしゃをまつきみのろくがつ)
張りつめたサイレンと、汽車を待つ君の六月
(ゆるせないこのぼくをもういちど、ゆるしてほしい。)
許せないこの僕をもう一度、許してほしい。