書きかけのラブレター

(さいたさいたこいのはな)

咲いた 咲いた 恋の花

(みのるように)

実るように

(かきかけたままの)

書きかけたままの

(きみへのらぶれたー)

君へのラブレター

(まっしろなはなのびんせんに)

まっしろな花の便箋に

(したためてる)

したためてる

(まよってはためいき)

迷っては ため息

(くうらんのあてさきに)

空欄の宛先に

(ゆびさきでなぞった)

指先でなぞった

(きみのなまえ)

君の名前

(いまはまだかけなくて)

今はまだ書けなくて

(どっちがすきなの)

どっちが好きなの

(きまらないこーでぃねいと)

決まらないコーディネイト

(もやもやかんがえてる)

もやもや考えてる

(きみのこと)

君のこと

(さいたさいたこいのはな)

咲いた 咲いた 恋の花

(ふわふわ)

ふわふわ

(かいてはそっとけしたぶんも)

書いてはそっと 消した文も

(きみへのきもちも)

君への気持ちも

(だいじにだいじにそだてて)

大事に 大事に 育てて

(みのるように)

実るように

(はじめてのきもち)

初めての気持ち

(ぜんぶしたためて)

全部したためて

(さいしょのことばはなににしよう)

最初の言葉は何にしよう

(はいけいとか)

拝啓とか?

(ひともじごとに)

一文字毎に

(なんにちもまよってる)

何日も迷ってる

(たいせつなきもち)

大切な気持ち

(きれいにして)

綺麗にして

(きみにとどけたいから)

君に届けたいから

(きょうしつのすみで)

教室の隅で

(こっそりとめでおった)

こっそりと目で追った

(そらさずわらいあえる)

逸らさず笑い合える

(ゆめをみて)

夢をみて

(ゆれたゆれたこいのはな)

揺れた 揺れた 恋の花

(いつだって)

いつだって

(じしんはないしにげたいって)

自信はないし 逃げたいって

(かぞえたためいき)

数えた ため息

(どうしてどうしてこんなにも)

どうして どうして こんなにも

(きになるの)

気になるの

(さいごのくうらんぺんがふるえてる)

最後の空欄 ペンが震えてる

(きっとかなわないこい)

きっと 叶わない恋

(だけどいつかは)

だけど いつかは

(こうかいするから)

後悔するから

(ちゃんととどけたい)

ちゃんと届けたい

(このらぶれたー)

このラブレター

(さいたさいたこいのはな)

咲いた 咲いた 恋の花

(きえないで)

消えないで

(くうらんにそっとかきしるした)

空欄にそっと 書き記した

(きみのふるねーむ)

君のフルネーム

(ほんとにほんとにさいごまで)

本当に 本当に 最後まで

(こわいけど)

怖いけど

(たいせつなきもち)

大切な気持ち

(ぜんぶしたためて)

全部したためて

(ちゃんととどけるよ)

ちゃんと届けるよ

(きみへのらぶれたー)

君へのラブレター