ピーチティー

(さよならはそっとそでにしまった)

さよならはそっと　袖にしまった

(きおくなんてときがすぎれば)

記憶なんて　時が過ぎれば

(ひとつひとつうすれてゆくもの)

一つ一つ　薄れてゆくもの

(あいまいなままかくしてた)

曖昧なまま　隠してた

(ひゃくねんのこいもとけた)

百年の恋も解けた

(だけどだけどだけど)

だけど　だけど　だけど

(おもいだせばせつなくて)

思い出せば切なくて

(ああもっと)

ああ　もっと

(すなおにはしゃぎたかったにげずにおこりたかった)

素直にはしゃぎたかった　逃げずに怒りたかった

(どんなひょうじょうもちゃんとみてほしかった)

どんな表情も　ちゃんと見てほしかった

(おもいきりなきたかったつよがりをかさねて)

思いきり泣きたかった　強がりを重ねて

(あきれるほどゆめをみていた)

呆れるほど　夢を見ていた

(ふがいないなわすれたはずの)

ふがいないな　忘れたはずの

(こえがいまもむねをしめつける)

声が今も　胸を締め付ける

(ゆくあてもかえるばしょもない)

行く当ても　帰る場所もない

(このいたみはどうしたらいい)

この痛みは　どうしたらいい？

(もしももしももしも)

もしも　もしも　もしも

(あのてをはなさなければ)

あの手を離さなければ・・・

(ああずっと)

ああ　ずっと

(となりであるきたかったそばでながめてたかった)

隣で歩きたかった　そばで眺めてたかった

(そんななにげないしゅんかんがいとしかった)

そんな何気ない　瞬間が愛しかった

(よびすてしてほしかったひらいたきょりはまだ)

呼び捨てしてほしかった　開いた距離はまだ

(あのひのままあのときのまま)

あの日のまま　あの時のまま

(あさいれたのみかけの)

朝いれた　飲みかけの

(さめたぴーちてぃーみたいに)

冷めたピーチティーみたいに

(あわくあまくどこかさみしい)

淡く甘く　どこか寂しい

(そんなひとときをまだもとめてたの)

そんな一時を　まだ求めてたの？

(ああもっと)

ああ　もっと

(うまくはじらいたかったそつなくあまえたかった)

上手く恥じらいたかった　卒なく甘えたかった

(どんなひょうじょうもちゃんとみてほしかった)

どんな表情も　ちゃんと見てほしかった

(はなびとかいきたかったつよがりをかさねて)

花火とか行きたかった　強がりを重ねて

(あきれるほどみたゆめのゆくすえを)

呆れるほど見た　夢の行く末を

(もうすこしだけみていたかったなぁ)

もう少しだけ　見ていたかったなぁ

(さよならはそっとそでをぬらした)

さよならはそっと　袖を濡らした