導火／月詠み

(いつのまにかおもいではいろあせてかすれる)

いつの間にか思い出は色褪せて掠れる

(いのちのひにくべたゆめはいまもまだひかりをはなつ)

命の火に焚べた夢は今もまだ光を放つ

(いつかたてたちかいもしぜんとじこうになるかな)

いつか立てた誓いも自然と時効になるかな

(あのころはすいめんのつきへやみくもにてをのばしていた)

あの頃は水面の月へ闇雲に手を伸ばしていた

(ただしさのぜんぶがただしいわけじゃない)

正しさの全部が正しいわけじゃない

(ほんとうにねがうものをなくさないように)

本当に願うものを失くさないように

(うちこわしてようれいもくらいよるも)

打ち壊してよ　憂いも暗い夜も

(まよいないそのいしで)

迷いないその意志で

(とどかない、たりないからこそ)

届かない、足りないからこそ

(のぞんでもとめてゆくんだ)

望んで求めて征くんだ

(ふきとばしていこう)

吹き飛ばしていこう

(ふあんもくなんもほらすべてをばくはして)

不安も苦難もほら　全てを爆破して

(いたみもくいもどうかになれ)

痛みも悔いも導火になれ

(かぜをまってなんていられない)

風を待ってなんていられない

(つたないきせきもどんなぶかっこうなかこも)

拙い軌跡も　どんな不格好な過去も

(いつかわらいとばせるときがくるだろう)

いつか笑い飛ばせる時が来るだろう

(いつのまにかしかいはうつろいでかすんでいく)

いつの間にか視界は移ろいで霞んでいく

(じぶんにはないんだ、とすててきた)

自分には無いんだ、と棄てて来た

(ひろうことだってできたはずだ)

拾うことだって出来たはずだ

(きょうがまだとおかったひ、どんなじぶんをえがいたろう)

今日がまだ遠かった日、どんな自分を描いたろう

(わすれてなんていないけれど)

忘れてなんていないけれど

(どこかでかくしてしまった)

どこかで隠してしまった

(でもほらきこえるあのひのこえ)

でもほら聴こえる　あの日の声

(こころのおくそこまだいきているなら)

心の奥底　まだ生きているなら

(こたえてくれよ)

応えてくれよ

(むねをこがすおともひめたままじゃきえる)

胸を焦がす音も秘めたままじゃ消える

(なにもないあいたそのてじゃなきゃ)

何もない　空いたその手じゃなきゃ

(つかめないものもあるだろう)

掴めないものもあるだろう

(いみがないんだとだれかがすてたゆめのさきでわらおう)

意味が無いんだと誰かが棄てた夢の先で笑おう

(ばかげたりそうでかまわない)

馬鹿げた理想で構わない

(ねがいはねがうものだけかなう)

願いは願う者だけ叶う

(ああいっしょうはあんがいながい)

嗚呼　一生は案外長い

(ただにいきるにはたいくつだしどこかへいこう)

啻に生きるには退屈だしどこかへ行こう

(うちこわしてようれいもくらいよるも)

打ち壊してよ　憂いも暗い夜も

(まよいないそのいしで)

迷いないその意志で

(とどかない、たりないからこそ)

届かない、足りないからこそ

(のぞんでもとめてゆくんだ)

望んで求めて征くんだ

(ふきとばしていこう)

吹き飛ばしていこう

(ふあんもくなんもほらすべてをばくはして)

不安も苦難もほら　全てを爆破して

(いたみもくいもどうかになれ)

痛みも悔いも導火になれ

(そのきりふだにつないで)

その切り札に繋いで

(ねがうきせきもどんなむこうみずなゆめも)

願う奇蹟も　どんな向こう見ずな夢も

(どれもこのてでうんめいにかえていこう)

どれもこの手で運命に変えていこう