pink

(むらさきいろのわたりろうかで)

紫色の渡り廊下で

(かおのないおとことであう)

顔のない男と出会う

(ぼくのほうをみてわらってるから)

僕の方を見て笑ってるから

(べつにこわくはないがあるけない)

別に怖くはないが歩けない

(かべのかいがににさんちまえの)

壁の絵画に二、三日前の

(ぼくのきおくがえがかれてて)

僕の記憶が描かれてて

(よこにいるのがたぶんきみだな)

横にいるのが多分君だな

(にかいのろうばはわずらってて)

二階の老婆は患ってて

(よごれたてぼくにさしだす)

汚れた手僕に差し出す

(きみはばっぐをあけてぴんくの)

君はバッグを開けてピンクの

(がらすだまをわたしてほほえむ)

ガラス玉を渡して微笑む

(それはなんだろうきっとなにかを)

それはなんだろう　きっとなにかを

(あらわしてるめたふぁーなんだろう)

表してるメタファーなんだろう

(ぼくにもおくれよきみのぴんくでそめて)

僕にもおくれよ　君のピンクで染めて

(きみょうなゆめのなかからぼくらを)

奇妙な夢の中から僕らを

(のぞいてみるとほんとうのふたりより)

覗いてみると本当の二人より

(すこしましにみせてくれるよ)

少しマシに見せてくれるよ

(いまのどのおくのほうから)

今咽の奥の方から

(おもいをえぐりだしてみるから)

思いをえぐり出してみるから

(ぼくがてをひくよるにおいでよ)

僕が手を引く夜においでよ

(となりでねむるはだかのおんなが)

隣で眠る裸体の女が

(ふきげんそうにねがえりをうつ)

不機嫌そうに寝返りを打つ

(それがなぜかはわからないけど)

それが何故かは分からないけど

(たぶんぼくにふまんをいだいてる)

多分僕に不満を抱いてる

(きょうはまんげつそとのほうから)

今日は満月外の方から

(さけびごえがきこえてくる)

叫び声が聞こえてくる

(ないてるのかなよがりごえだなきっと)

泣いてるのかな　よがり声だなきっと

(はじらいがあったきのうより)

恥じらいがあった昨日より

(さらけだしたきょうのほうがより)

さらけ出した今日の方がより

(たしょうきばんでみえたり)

多少黄ばんで見えたり

(してるけどいとしさはふえるよ)

してるけど愛しさは増えるよ

(なにしたってかまわないから)

何したって構わないから

(きみのすきなようにしとくれよ)

君の好きなようにしとくれよ

(あしたもぼくのゆめをこわしてよ)

明日も僕の夢を壊してよ

(おもいをのみこんだきのうより)

思いを飲み込んだ昨日より

(ぶちまけたきょうのほうがより)

ぶちまけた今日の方がより

(たしょうはくろずんだり)

多少は黒ずんだり

(してるけどいとしさはふえるよ)

してるけど愛しさは増えるよ

(いまのどのおくのほうから)

今咽の奥の方から

(おもいをえぐりだしてみるから)

思いをえぐり出してみるから

(ぼくがてをひくよるにおいでよおいでよ)

僕が手を引く夜においでよ　おいでよ