トラッシュバック

(いつからどうせうまれたときからだ)

いつから? どうせ生まれたときからだ

(しょうぜんさいかにただようふくろのようでした)

悄然 最下に漂う袋のようでした

(ずっとかすかなひかりのあとをなぞっていた)

ずっと幽かな光の跡をなぞっていた

(どれもさもうもどれやしないひびだな)

どれもさ もう戻れやしない日々だな

(ねえねえにくいはむしだってとりにとってごちそうであったんだ)

ねえねえ、憎い羽虫だって鳥にとってご馳走であったんだ

(じゃまなぼとるだってわけきざんでうまれかわるんだ)

邪魔なボトルだって分け刻んで生まれ変わるんだ

(じゃあひとのくずはいったいなんのやくにたてるでしょう)

じゃあ人の屑は一体何の役に立てるでしょう

(ぼろぼろになってがらくたになって)

ぼろぼろになってがらくたになって

(はいきじょではいつくばっていた)

廃棄所で這いつくばっていた

(うまくいきられないせいでわたしのせいで)

うまく生きられないせいで 私のせいで

(たいせつなあのこはすくらっぷにかわった)

大切なあのこはスクラップに変わった

(なんてしんじたくないけどね)

なんて信じたく無いけどね

(げんじつはどうでしょうね)

現実はどうでしょうね

(うまくいきられないせいがわたしのせいが)

うまく生きられない生が 私の生が

(そだいなかいとうにからまって)

粗大な回答に絡まって

(こうかいしたってしきれやしないからね)

後悔したってしきれやしないからね

(へたくそにてをのばしていきているの)

下手くそに手を伸ばして 生きているの

(いつからどうせうまれたときからだ)

いつから?どうせ生まれたときからだ

(しょうめいせずともはむかうのろいのようでした)

証明せずとも歯向かう呪いのようでした

(ずっとわずかなきたいのなかをおよいでいた)

ずっと僅かな期待の中を泳いでいた

(どれもさいみなどないぬけがらでした)

どれもさ意味など無い抜け殻でした

(そうだくさるかれはだってつちになってきぎをささえてたんだ)

そうだ、腐る枯れ葉だって 土になって木々を支えてたんだ

(しずむわたしだってわたしだってなにかだったようだ)

沈む私だって私だって 何かだったようだ

(でもいみをかいてよりそうとなりにもすきまがあるでしょう)

でも 意味を書いて寄り添う隣にも隙間があるでしょう

(ぐちゃぐちゃになってばらばらになって)

ぐちゃぐちゃになってばらばらになって

(なまごみはきずにつめをたてた)

生ごみは傷に爪を立てた

(うまくいきられないせいでわたしのせいで)

うまく生きられないせいで 私のせいで

(たいせつなあのこはすくらっぷにかわった)

大切なあのこはスクラップに変わった

(きりぬかれてのこったがわにああ)

切り抜かれて残った側に ああ

(せいぞんしたってせいさんなんです)

生存したって凄惨なんです

(こんなけつまつをだきしめたって)

こんな結末を抱きしめたって

(いたいですつらいですのりこえろって)

痛いです 辛いです 乗り越えろって

(そんなのひどいじゃんか)

そんなの酷いじゃんか

(うまくいきられないせいでわたしのせいで)

うまく生きられないせいで 私のせいで

(たいせつなあのこはすくらっぷにかわった)

大切なあのこはスクラップに変わった

(なんてしんじたくないけどね)

なんて信じたく無いけどね

(げんじつはどうでしょうね)

現実はどうでしょうね

(うまくいきられないせいだわたしのせいだ)

うまく生きられないせいだ 私のせいだ

(がむしゃらにもがいてきずついて)

がむしゃらに藻掻いて傷ついて

(ほうかいしそうでしないでおわれないや)

崩壊しそうでしないで終われないや

(うたかたにてをのばしていきをするの)

泡沫に手を伸ばして 息をするの