心のない歌/真島ゆろ

(かけがえのないものってなんだろう)

掛け替えのないものってなんだろう

(せいかつひつじゅひんじゃなくてさ)

生活必需品じゃなくてさ

(ただつらいときかなしいときささえになるもの)

ただつらいとき悲しいとき支えになるもの

(ときにはきずついてきょりをおくもの)

時には傷ついて 距離を置くもの

(ほんとはなにかにたよらなくても)

ほんとは何かに頼らなくても

(いきていけるのがいいんだけど)

生きていけるのがいいんだけど

(でもかたよりのないかたはらいたいへんなめろでぃが)

でも偏りのない 片腹痛い 変なメロディが

(ゆるしてくれたそんなきがした)

許してくれた そんな気がした

(きみはぼくらのかわりだけど)

君は僕らの『代わり』だけど

(かけがえないのかな)

『掛け替えない』のかな？

(こころないたんちょうなうたごえが)

心ない単調な歌声が

(ことばじゃいえないほんとうにかわってゆく)

言葉じゃ言えない『本当』に変わってゆく

(ぼくはきみになってきみはぼくになって)

僕は君になって 君は僕になって

(ぱっけーじされたおなじからだになって)

パッケージされた同じカラダになって

(なさけないかんじょうのうぶごえは)

情けない感情の産声は

(つたないしんせさいざーのこえになって)

拙いシンセサイザーの声になって

(てんはせんになってせんはえんになって)

点は線になって 線は円になって

(いみなんていらないみんなおなじだから)

意味なんていらない みんな同じだから

(みぎもひだりもわからないまま)

右も左も分からないまま

(ただたっぷしたさむねのまんなか)

ただタップしたサムネの真ん中

(みみもとからながれだしたでんしおんが)

耳元から流れ出した電子音が

(ぼくらをむかえたｓｉｎｇｕｌａｒｉｔｙ)

僕らを迎えた Singularity

(くちずさんだこのめろでぃに)

口ずさんだこのメロディに

(そういくふうのすとーりーを)

創意工夫のストーリーを

(うかべてかなでるのさ)

浮かべて 奏でるのさ

(こころないたんちょうなうたごえが)

心ない単調な歌声が

(ことばじゃいえないほんとうにかわってゆく)

言葉じゃ言えない『本当』に変わってゆく

(ぼくはきみになってきみはぼくになって)

僕は君になって 君は僕になって

(ぱっけーじされたおなじからだになって)

パッケージされた同じ身体になって

(こころないじゅんすいなうたごえは)

心ない純粋な歌声は

(ことばじゃたりないおもいでにかわってゆく)

言葉じゃ足りない『思い出』に変わってゆく

(うたはいしになっていしはばしょになって)

歌は意思になって 意思は場所になって

(かんせいされたひとつのすてーじになって)

完成されたひとつのステージになって

(みんなみにくさかくしながら)

みんな醜さ隠しながら

(てのなかのぬくもりだけをしんじている)

手の中の温もりだけを信じている

(このせかいはあんがいたんじゅんで)

この世界は案外単純で

(みんなにんげんだってことなんだ)

みんな人間だってことなんだ

(このうたごえでこころつなごう)

この歌声で 心繋ごう

(みんなみにくさかくしながら)

みんな醜さ隠しながら

(ほんとうはあたたかいってことをしっている)

本当は暖かいってことを知っている

(このせかいはあんがいたんじゅんで)

この世界は案外単純で

(みんなにんげんだってことなんだ)

みんな人間だってことなんだ

(こころをこめたこころのないうた)

心を込めた 心のない歌