赤点先生

(くったくのないほほえみで)

屈託のない微笑みで

(そっぽむいてほおそめて)

そっぽ向いて頬染めて

(いいわけをさがしている)

言い訳を探している

(きんじられたあそびとか)

禁じられた遊びとか

(かったばかりのしたぎで)

買ったばかりの下着で

(かっこつけてよってだいて)

かっこつけて酔って抱いて

(かけたあいのしょうぞうのかがやきにきずついても)

欠けた愛の肖像の輝きに傷付いても

(きみのきもちがしりたいだけなのさ)

君の気持ちが知りたいだけなのさ

(せきがえしましょきょうたくのまえに)

席替えしましょ　教卓の前に

(ずるいねがおがみられるように)

ずるい寝顔が見られるように

(きみはいつまでわたしのことすきでいてくれるかな)

君はいつまで私のこと　好きでいてくれるかな

(じっとしてたきずあともしっとさきのきすあとも)

じっとしてた傷痕も　嫉妬先のキス痕も

(げんてんたいしょうしんろしどう)

減点対象　進路指導

(しったかぶりねこかぶり)

知ったかぶり猫かぶり

(がっかりしてうれうそぶり)

がっかりして憂う素振り

(べったりしてきょりおいて)

べったりして距離置いて

(いずれとうげひとつをこえたらば)

いずれ峠一つを超えたらば

(おんなというぶらんどをうしなっていくだけのいきものなの)

女というブランドを失っていくだけの生き物なの

(せきがえしましょいちばんうしろに)

席替えしましょ　一番後ろに

(せつないかおがみられるように)

切ない顔が見られるように

(わたしいつまできみのきもちころがしてられるかな)

私いつまで君の気持ち　転がしてられるかな

(こいのきょうかいがゆらいでも)

恋の境界が揺らいでも

(あいはけっしてめんざいふにはならないものなのさ)

愛は決して免罪符にはならないものなのさ

(やりなおしましょきょうしつのそとで)

やり直しましょ　教室の外で

(ひとりのおとことおんなから)

一人の男と女から

(きみもいつかはおとなになりめうつりしてゆくでしょう)

君もいつかは大人になり　目移りしてゆくでしょう

(さよならしましょただれたかんけい)

さよならしましょ　爛れた関係

(あすのみだしにのらないように)

明日の見出しに載らないように

(そつぎょうしてもわたしのことすきでいてくれるかな)

卒業しても私のこと　好きでいてくれるかな