心臓デモクラシー

(ないていたただないていた)

哭（な）いていた　唯　哭（な）いていた

(ひとめにつかないせかいで)

他人眼（ひとめ）につかない　世界で

(そしてはじをしりみじめになれば)

其（そ）して恥を知り　惨めになれば

(すべてがまわりだした)

全てが廻りだした

(いつもこのむねはなにかをみたそうと)

何常（いつ）もこの胸は　何かを満たそうと

(さんざんなめにあってしょーがない)

散々なめに遭って　仕様がない

(いっそりせいなどころしてしまおうか)

いっそ理性など　殺して仕舞おうか

(こしたんたんねらいをさだめさだめて)

虎視耽々（こしたんたん）　狙いを　さだめ　さだめて

(いつもこのくちはだれかにせまったり)

何常（いつ）もこの口は　誰かに迫ったり

(さんざんなめにあわせているな)

散々なめに　遭わせているな

(いろづいたさざんかの)

色づいた　山茶花（さざんか）の

(ちをなめまわして)

血を舐め廻して

(うらむようなそのしせんに)

恨むような　其（そ）の視線に

(むけて)

向けて

(ないていたただないていた)

哭（な）いていた　唯　哭（な）いていた

(ひとめにつかないせかいで)

他人眼（ひとめ）につかない　世界で

(そしてはじをしりみじめになれば)

其（そ）して恥を知り　惨めになれば

(すべてがまわりだしてゆく)

全てが廻りだして　ゆく

(かげりゆくだてんしの)

翳（かげ）りゆく　堕天使の

(せなかをだきよせ)

背中を抱き寄せ

(ささやいたみみおくで)

囁いた　耳の奥で

(そっと)

添（そ）っと

(いかないでもういかないで)

いかないで　もう　いかないで

(いまよりもっとかしこくなるし)

いまよりもっと　かしこくなるし

(やさしくなるしつよくもなるし)

やさしくなるし　つよくもなるし

(じゃまなものはころしてあげる)

じゃまなものは　ころしてあげる

(いまないていたただないていた)

今　哭（な）いていた　唯　哭（な）いていた

(ひとめにつかないせかいで)

他人眼（ひとめ）につかない　世界で

(そしてはじをしりみじめになれば)

其（そ）して恥を知り　惨めになれば

(すべてがまわりだして)

全てが　廻りだして

(しんぞうはひとつになる)

心臓は　一つになる