アイザック

(あいざっく１かーとんのなーばす)

アイザック　1カートンのナーバス

(あいらくせぶんすのほはば)

哀楽　セブンスの歩幅

(こうぎょうくこくえんのきゃんぱす)

工業区　黒煙のキャンパス

(らんぐすとんいっぷくのどらま)

ラングストン　一服のドラマ

(しながわえきがせきこむのできかざったじょせいがせなかをさすっていた)

品川駅が咳き込むので　着飾った女性が背中をさすっていた

(うずくまったみめいどおりでは)

うずくまった未明通りでは

(きょうもはんにんによるはんにんさがしがおくそくとでばがめとゆうしきしゃでぎゅうぎゅうづめだ)

今日も犯人による犯人捜しが　　憶測と出歯亀と有識者でぎゅうぎゅう詰めだ

(あくにんのくせにあくにんづらするゆうきすらないはじしらずのあくにんがはいた)

悪人のくせに悪人面する勇気すらない　恥知らずの悪人が吐いた

(どうとくによくにたそれはふはいするもうそう)

道徳によく似たそれは　腐敗する妄想

(ばんしゅうのふほうりょうじゅうのはっぽう)

晩秋の訃報　猟銃の発砲

(はつゆきがいまだとうそうじゅうにがつのとうほく)

初雪が未だ逃走　十二月の東北

(あいざっく１かーとんのなーばす)

アイザック　1カートンのナーバス

(あいらくせぶんすのほはば)

哀楽　セブンスの歩幅

(こうぎょうくこくえんのきゃんぱす)

工業区　黒煙のキャンパス

(らんぐすとんいっぷくのどらま)

ラングストン　一服のドラマ

(だれかがだれかをきずつけるたびにむねをいためるならいつかそれがしいんになる)

誰かが誰かが傷つける度に胸を痛めるなら　いつかそれが死因になる

(そういういみではやさしさはやまいだ)

そういう意味では優しさは病だ

(だれかがはきすてたつばをすくなからずぼくらはふんづけてこうしんするんだ)

誰かが吐き捨てたつばを　少なからず僕らは踏んづけて行進するんだ

(ふぶきもおおしけもそのさきにあかりはみえずとも)

吹雪も大時化も　その先に灯りは見えずとも

(やぶれかぶれにじぼうじきにしにものぐるい)

やぶれかぶれに自暴自棄に　死に物狂い

(こうざんのほうらくによるいきうめのひゅーまにずむ)

鉱山の崩落による　生き埋めのヒューマニズム

(きぼうもいつかきえるだがそれはいきたえるときだ)

希望もいつか消える　だがそれは息絶える時だ

(あいざっく１かーとんのなーばす)

アイザック　1カートンのナーバス

(あいらくせぶんすのほはば)

哀楽　セブンスの歩幅

(こうぎょうくこくえんのきゃんぱす)

工業区　黒煙のキャンパス

(らんぐすとんいっぷくのどらま)

ラングストン　一服のドラマ