眠れぬ夜は

(ねむれぬよるは)

眠れぬ夜は

(そしてひがくれてゆく)

そして日が暮れてゆく

(そしてさともねむりゆく)

そして里も眠りゆく

(そしてわたしはそっとつむぎだす)

そして私はそっと紡ぎ出す

(そしてまたくらいよるがくる)

そしてまた暗い夜が来る

(とざされたれきしでさえも)

閉ざされた歴史でさえも

(かくしえぬつみのかたち)

隠し得ぬ罪の形

(くちることのないひのおおとりとりは)

朽ちる事のない火の鳳とりは

(みずからをもあかくそめていく)

自らをも紅く染めていく

(もはやひととよぶことのないしんたいでも)

もはや人と呼ぶことのない身体でも

(ひととしてないているなら)

人として泣いているなら

(せめてこのよるのあいだは)

せめてこの夜の間は

(あなたとともにいたいとおもうよ・・・)

貴女とともに居たいと思うよ…

(ねむれぬよるは)

眠れぬ夜は

(あなたのことをひとりきりおもいつづけて)

貴女のことを独りきり想い続けて

(そしていつものように)

そしていつもの様に

(つよがるのだろうかと)

強がるのだろうかと

(ひとり)

独り

(ひとならぬみをもてあますこんなよるは)

人ならぬ身を持て余すこんな夜は

(すこしだけでいいから)

少しだけでいいから

(ねぇそばにいてほしいよ・・・)

ねぇ傍に居て欲しいよ…

(きっとひはくれてゆく)

きっと日は暮れてゆく

(きっとさともねむりゆく)

きっと里も眠りゆく

(きっときじょはそっとつむぎだす)

きっと貴女はそっと紡ぎ出す

(きっとまたくらいよるがくる)

きっとまた暗い夜が来る

(ひととともにいきること)

人と伴に生きること

(かたちをもたぬなにかを)

形を持たぬ何かを

(あたえることができるのならば)

与えることができるのならば

(それをつよさとよんでみたい)

それを強さと呼んでみたい

(もはやひととよぶことのないしんたいでも)

もはや人と呼ぶことのない身体でも

(ひととしてなくよるもある)

人として泣く夜もある

(せめてこのよるのあいだは)

せめてこの夜の間は

(あなたにあまえていたいとおもうよ・・・)

貴女に甘えて居たいと思うよ…

(ねむれぬよるは)

眠れぬ夜は

(あなたのむねにかおを)

貴女の胸に顔を

(うまうずめていられたら)

埋うずめて居られたら

(きっとつよがることも)

きっと強がることも

(なくなけるのだろうに)

無く泣けるのだろうに

(ひとり)

独り

(ひとならぬみをもてあますこんなよるは)

人ならぬ身を持て余すこんな夜は

(すこしだけでいいから)

少しだけでいいから

(ねぇそばにいてほしいよ・・・)

ねぇ傍に居て欲しいよ…

(しられざるれきしの)

知られざる歴史の

(むこうでないている)

向こうで泣いている

(こどくにおしつぶされそうに)

孤独に押し潰されそうに

(せめてこのよるのあいだは)

せめてこの夜の間は

(あなたをまもっていたいとおもうよ・・・)

貴女を守っていたいと思うよ…

(ねむれぬよるは)

眠れぬ夜は

(あなたもわたしとおなじようにこどくなの)

貴女も私と同じ様に孤独なの

(そしてこれはきっと)

そしてこれはきっと

(こんやだけのかくしごと)

今夜だけの隠し事

(ふたり)

二人

(ひとならぬみをもてあますこんなよるは)

人ならぬ身を持て余すこんな夜は

(すこしだけでいいからねぇ)

少しだけでいいからねぇ

(つながっていようよ・・・)

繋がっていようよ…