赤裸裸

(かいえんあいずにみみをふさぐなよ)

開演合図に耳を塞ぐなよ

(もうずいぶんまえからなっている)

もう随分前から鳴っている

(これはげんそうとげんじつがなすぶたい)

これは幻想と現実が成す舞台

(そんなこんざいしたふぃくしおんが)

そんな混在したフィクシオンが

(どれかもわからずに)

何れかも判らずに

(えいえんにきょうをすごしたいなんておかどちがい)

永遠に今日を過ごしたいなんて御門違い

(あんしんあんぜんじょうぶけんこう)

安心安全丈夫健康

(そんなものさしはあてにならん)

そんな物差しは当てにならん

(それはきゅうさいのさっかくをきたすまじっく)

それは救済の錯覚を来すマジック

(れっとうかんだとかあいじょうだとかごまかしては)

劣等感だとか愛情だとか誤魔化しては

(すぽっとらいとあたっちゃあさいご)

スポットライト当たっちゃあ最後

(びびってなにもいえないだけだろう)

びびって何も言えないだけだろう

(なんなんだくるってんのは)

なんなんだ　狂ってんのは

(よのほうじゃなかったんか)

世の方じゃなかったんか？

(なんてこったしんじられないわ)

なんてこった　信じられないわ

(こんなんじゃやってらんないんだわ)

こんなんじゃやってらんないんだわ

(まあまんがいちなにがあったって)

まあ万が一　何があったって

(あいがどうきっておもいたいだけ)

愛が動機って思いたいだけ

(さいこうっていっていきてーじんせいを)

最高って云って逝きてー、人生を！

(あーもうこんなはずじゃないよ)

あーもうこんな筈じゃないよ

(だいやくはふざいでていこくげきじょうのひらめき)

代役は不在で定刻　激情の閃き

(ああつれさってつれさってこのごうから)

嗚呼、連れ去って連れ去って　この業から

(のがれられないあたしを)

逃れられない　あたしを

(ぶたいじょうはりもののせそう)

舞台上　張物の世相

(たんのうしろよさぶてきすと)

堪能しろよサブテキスト

(このだいもおおいりでまいどあり)

この題も大入りで毎度在り

(そうあがりはかねではかえぬしんらいと)

そうアガリは金では買えぬ信頼と

(このせりふだおーだーめいど)

この台詞だオーダーメイド

(しかけはごむようみひとつだまらすみせもの)

仕掛けは御無用　身一つ黙らす見世物

(なんなんだくるってんのは)

なんなんだ　狂ってんのは

(よのほうじゃなかったんか)

世の方じゃなかったんか？

(なんてこったちょっとたんま)

なんてこった　一寸たんま

(こんなんやってらんないんだわ)

こんなんやってらんないんだわ

(そのかんしょうわらっといて)

その感傷わらっといて

(いがみあったってしょうがないな)

いがみ合ったってしょうがないな

(さいていからしかみられないきげきを)

最低からしか見られない喜劇を！

(だれかをしんじられないなんて)

誰かを信じられないなんて

(そんなじんせいはくだらないあたしはいらない)

そんな人生はくだらない　あたしはいらない

(ああうたがってうたがってきりないよな)

嗚呼、疑って疑って　きりないよな

(わかりたいなら)

わかりたいなら

(なんかいやりなおしたってきっと)

何回やり直したってきっと

(これいじょうなんかありえないわ)

これ以上なんかありえないわ

(あんたいがいはつとまんないわ)

あんた以外は務まんないわ

(かえがきかないこのいきざま)

代えがきかない　この生き様

(まっこうしょうぶあいされたいならあいすまでよ)

真っ向勝負！愛されたいなら愛すまでよ

(ちゃちなぷらいどのないみがるさよ)

ちゃちなプライドのない身軽さよ

(わがためにまくがあがるだろう)

我が為に幕が上がるだろう

(あばいてくれさああたしを)

暴いてくれ　さあ、あたしを