雨を見くびるな/キリンジ

(あぁくちづけでせめてみてもかえるのつらにしゃんぱんか)

あぁ、口づけで責めてみても　カエルの面にシャンパンか

(したをかむなんてひどいなごあいさつじゃないか)

舌を噛むなんてヒドいな　ご挨拶じゃないか

(みろあいまいなえみがうかぶあらかじめのうそのはてか)

みろ、曖昧な笑みが浮かぶ　あらかじめの嘘の果てか？

(まばたきがいやにすくないぜあくいのはちょうはあれもよう)

まばたきがいやに少ないぜ　悪意の波長は荒れ模様

(まちのひがみずににじんでゆくよなかにはやむ)

街の灯が水に滲んでゆく　「夜中には止む。」

(このあめをみくびるなみぞおちをむしばんでゆくだろう)

この雨を見くびるな　みぞおちを蝕んでゆくだろう

(ふかくふかく)

深く深く

(ふたりはいさかいのぽーずのままうらはらのすじをちがえた)

二人はいさかいのポーズのまま　裏腹の筋を違えた

(さかさことばでさかなでてよるはきしみをたてる)

逆さ言葉で逆なでて　夜は軋みをたてる

(ひみつとうそのげーむはむかしのうたでけりがつく)

秘密と嘘のゲームは　昔の歌でけりがつく

(けしょうはしずかになだれてあくいのはちょうはあれもよう)

化粧は静かに雪崩て　悪意の波長は荒れ模様

(まちのひがみずににじんでゆくよなかにはやむ)

街の灯が水に滲んでゆく　「夜中には止む。」

(このあめをみくびるなみぞおちをむしばんでゆくだろう)

この雨を見くびるな　みぞおちを蝕んでゆくだろう

(ふかくふかく)

深く深く

(もうゆううつはいつものようにやさしくつつんでくれやしない)

もう、憂鬱はいつものように優しく包んでくれやしない

(ひくいおんどでぼくらはやけどをしたんだ)

低い温度で僕らは火傷をしたんだ

(まちのひがみずににじんでゆくよなかにはやむ)

街の灯が水に滲んでゆく　「夜中には止む。」

(このあめをみくびるなみぞおちをむしばんでゆくだろう)

この雨を見くびるな　みぞおちを蝕んでゆくだろう

(ふかくふかく)

深く深く

(あめをみくびるな)

雨を見くびるな

(このあめをみくびるな)

この雨を見くびるな