無垢な季節

(よくみるとまんなかにうつっているよくみるとかおがえらそうだった)

よく見ると真ん中に写っている　よく見ると顔が偉そうだった

(むかしはめだちたがりやだったたしなめあうのがにちじょうだったんだ)

昔は目立ちたがりやだった　たしなめあうのが日常だったんだ

(みつめあうまなつのふほうととどろきあうふたりのしんぞうが)

見つめあう真夏の訃報と　轟き合う二人の心臓が

(むじゅんしたげんじつにはいりこむしんきろうにぼくらはとけこんだ)

矛盾した現実に入り込む　蜃気楼に僕らはとけこんだ

(なけてなけてなけてくるんだなつがうばったわけじゃないけど)

泣けて泣けて泣けてくるんだ　夏が奪ったわけじゃないけど

(ずるいなっておもったんだ)

ずるいなって思ったんだ

(なけてなけてなけてくるんだぼくだけがいつもとりのこされて)

泣けて泣けて泣けてくるんだ　僕だけがいつも取り残されて

(なつがおわっていく)

夏が終わっていく

(むくなかんじょうがはなやのてんとうのゆりをみてきらめいたそんなきせつ)

無垢な感情が　花屋の店頭のユリを見てきらめいた　そんな季節

(はなことばをみてゆらめくふたりのきおくがふらっしゅばっくしたそんなきせつ)

花言葉を見て揺らめく　二人の記憶がフラッシュバックした　そんな季節

(みつめあうまなつのふほうととどろきあうふたりのしんぞうが)

見つめ合う真夏の訃報と　轟き合う二人の心臓が

(むじゅんしたげんじつにはいりこむしんきろうにぼくらはとけこんだ)

矛盾した現実に入り込む　蜃気楼に僕らはとけこんだ

(ぼくもいつかははちがつのきまぐれにまきこまれてしまうんだろうか)

僕もいつかは八月の　気まぐれに巻き込まれてしまうんだろうか

(それはそれでわるくないけど)

それはそれで悪くないけど

(できればあのときえがいたあおじゃしんをかみひこうきでとばして)

出来ればあの時描いた　青写真を紙飛行機で飛ばして

(みえなくなるまでみとどけてからにしてほしいな)

見えなくなるまで見届けてからにしてほしいな

(かえりにやっぱりかうことにしたゆりのはなをてにとった)

帰りにやっぱり買うことにした　ユリの花を手に取った

(なんでもないほんとうになんでもない)

何でもない　本当に何でもない

(はずなんだけどなみだがとまらないんだ)

はずなんだけど　涙が止まらないんだ

(はなになったのかなはなになれたのかな)

花になったのかな　花になれたのかな

(やっぱりなみだがとまらないんだ)

やっぱり涙が止まらないんだ

(なけてなけてなけてくるんだなつがうばったわけじゃないけど)

泣けて泣けて泣けてくるんだ　夏が奪ったわけじゃないけど

(ずるいなっておもったんだ)

ずるいなって思ったんだ

(なけてなけてなけてくるんだぼくだけがいつもとりのこされて)

泣けて泣けて泣けてくるんだ　僕だけがいつも取り残されて

(なつがおわっていく)

夏が終わっていく