空白と夏

(またたきのまにながれてくしんこうけいをひていできないまま)

瞬きの間に流れてく進行形を否定できないまま

(ぼくのずじょうをみたしてるきょえいしんをかすかにのろった)

僕の頭上を満たしてる虚栄心を微かに呪った

(だれかじゃないただしくじぶんじしんになりたかったぼくは)

誰かじゃない正しく自分自身になりたかった僕は

(ひきかえせないところまできていたんだ)

引き返せない所まで来ていたんだ

(きょうめいしようつきあわせよう)

共鳴しよう　突き合わせよう

(ふらふらしてるこころでもじをかいて)

ふらふらしてる心で文字を書いて

(そこなってそこなっていまきょうじをうれいている)

損なって損なって今矜持を憂いている

(このままではぼくはいみがなくなっていく)

このままでは僕は意味が無くなっていく

(うしなってうしなって)

失って失って

(ただのどくになる)

ただの毒になる

(さいのうなんてしんでゆく)

才能なんて死んでゆく

(おれやぼくやわたしがいきたなつよいかないで)

俺や僕や私が生きた夏よ　行かないで

(かんしょうはいまおとになる)

感傷は今音になる

(さけびたくなるほどかきたかった)

叫びたくなるほど書きたかった

(いたみさえ)

痛みさえ

(つうかしていましんでゆく)

通過して今死んでゆく

(おれやぼくやわたしをいかしたこえにあこがれて)

俺や僕や私を生かした声に憧れて

(なんかいだっていいただのちのかよったことばをさがしている)

難解だって良い　只の血の通った言葉を探している

(いつまでも)

いつまでも

(ぼくのふあんものろいもさいぎしんもひていできないまま)

僕の不安も呪いも猜疑心も否定できないまま

(きせつはさってむかんけいなじょうしきがおそいこんでふみしめる)

季節は去って無関係な常識が襲い込んで踏み締める

(かなわなかったゆめのざんしのなかかこまれいきている)

叶わなかった夢の残滓の中囲まれ生きている

(はてなきしょうめいかきつらねいきている)

果て無き証明書き連ね生きている

(ふつうじゃないぼくがいる)

普通じゃない僕がいる

(もうどれほどみちをつぶしたんだろう)

もうどれ程道を潰したんだろう

(いくつものかいをしめせどことばはただ)

幾つもの解を示せど言葉はただ

(すぎさってすぎさって)

過ぎ去って過ぎ去って

(ただのおとになる)

ただの音になる

(しんじょうばっかいきているおれやぼくやわたしがいきたなつにどくされて)

信条ばっか生きている　俺や僕や私が生きた夏に毒されて

(かんしょうだってとおのいてみとめられなくたってかきたかった)

感傷だって遠のいて　認められなくたって書きたかった

(それだけだ)

それだけだ

(さいのうなんてしんでゆく)

才能なんて死んでゆく

(おれやぼくやわたしがいきたなつよいかないで)

俺や僕や私が生きた夏よ　行かないで

(かんしょうはいまおとになる)

感傷は今音になる

(さけびたくなるほどかきたかった)

叫びたくなるほど書きたかった

(いたみさえ)

痛みさえ

(つうかしていましんでゆく)

通過して今死んでゆく

(おれやぼくやわたしをいかしたこえにあこがれて)

俺や僕や私を生かした声に憧れて

(なんかいだっていいただのちのかよったことばをさがしている)

難解だって良い　只の血の通った言葉を探している

(いつまでも)

いつまでも