卒業/重音テト

(ここでひとつきみにとおう)

ここでひとつ君に問おう

(じつにばかなきみにとおう)

じつに馬鹿な君に問おう

(こえもだせぬほどのりふじんを)

声も出せぬほどの理不尽を

(きみはきみはどういきるの)

君は君はどう生きるの

(ひとをゆるすにはながすぎて)

他人を許すには長すぎて

(じぶんをゆるすにはあまりにみじかすぎた)

自分を許すには余りに短すぎた

(はる)

春

(ぼくはおろかだおろかだ)

僕は愚かだ愚かだ

(こんなかんたんなこともまだきみにつたえられないなんて)

こんな簡単なこともまだ君に伝えられないなんて

(ぼくはおろかだおろかだ)

僕は愚かだ愚かだ

(こんなわかりきったこともまたきみにのこせないままで)

こんなわかりきったこともまた君に残せないままで

(たとえば)

例えば

(しんでほしいひともまたあいされていること)

死んでほしい人もまた愛されていること

(ずるいひとほどかんたんにわらえるっていうこと)

ずるい人ほど簡単に笑えるっていうこと

(だれもがなにかのためにことばをえらぶことそして)

誰もが何かのために言葉を選ぶことそして

(きっときっと)

きっときっと

(ぜったいなどないってこと)

絶対などないってこと

(よわいままのあなたでいいよ)

"弱いままのあなたでいいよ"

(けっかがすべてじゃないよなんて)

"結果がすべてじゃないよ"なんて

(かたるひとはあしたのしょくじをくれたりしないでしょう)

語る人は明日の食事をくれたりしないでしょう

(いつかみんなわかりあえるって)

"いつかみんな分かり合える"って

(そんなのうそだってきづけるには)

そんなの嘘だって気づけるには

(あまりにみじかすぎたはる)

余りに短すぎた春

(ぼくはおろかだおろかだ)

僕は愚かだ　愚かだ

(こんなわかりきったこともまたきみにまた)

こんなわかりきったこともまた君に、また

(くやしさがかたちをえて)

悔しさがかたちを得て

(あてもなくただこぼれた)

当てもなくただ零れた

(ぼくはおろかだおろかだ)

僕は愚かだ愚かだ

(こんなかんたんなこともまだきみにつたえられないなんて)

こんな簡単なこともまだ君に伝えられないなんて

(ぼくはおろかだおろかだ)

僕は愚かだ愚かだ

(こんなたいせつなばつをまたきみにあたえないままで)

こんな大切な罰をまた君に与えないままで

(たとえば)

例えば

(しんでほしいひともまたあいされていること)

死んでほしい人もまた愛されていること

(だからこそきみもまたさけんだっていいこと)

だからこそ君もまた叫んだっていいこと

(だれかがなにかのためにきみにことばをかけるけれど)

誰かが何かのために君に言葉をかけるけれど

(きっときっと)

きっときっと

(きみがきみをいきてこそ)

君が君を生きてこそ

(ぜったいなどないってこと)

絶対などないってこと