「宵、桜」ＩＡ

(かぜにゆられまうはなふぶきつきよのばんに)

風に揺られ舞う花吹雪　月夜の晩に

(やみにまぎれちるはなびらはかれんにまいとける)

闇に紛れ散る花びらは　可憐に舞い融ける

(ゆらりゆらりちりゆくさだめこよいはうたげ)

ゆらりゆらり散りゆく定め　今宵は宴

(かなでるのはまつりのしらべとどろけはるかかなた)

奏でるのは祭りの調べ　轟け遥か彼方

(つきあかりがうつすいちめんのさくらいろ)

月明かりが　写す　一面の　桜色

(ああちりいくはなびらが)

嗚呼　散り行く花びらが

(めざすそのゆくえかなたのとうげんきょう)

目指すその行方　彼方の桃源郷

(ひらりひらりまうはなびらは)

ひらり　ひらり　舞う花びらは

(かぜにふかれていままいおどれ)

風に　吹かれて　今　舞い踊れ

(ときのながれむじょうのさだめせつなのことわりはなふぶき)

時の流れ　無常の定め　刹那の理　花吹雪

(ひびけひびけこのせんりつよ)

響け　響け　この旋律よ

(あすにとどろけこのこどうよ)

明日に　轟け　この鼓動よ

(うきよばなれしたこのけしきさくらよさきほこれ)

浮世離れした　この景色　桜よ　咲き誇れ

(つきにてられやみよにうかぶはなのかいろう)

月に照られ　闇夜に浮かぶ　華の回廊

(うすべにいろにそまるせかいはまるでかいがのよう)

薄紅色に　染まる世界は　まるで絵画のよう

(くものすきまさくらをてらすつきのひかりよ)

雲の隙間　桜を照らす　月の光よ

(かがやくのはちりいくさくらまんげきょうのごとく)

輝くのは　散り行く桜　万華鏡の如く

(つきあかりをうつすゆうげんのなみきみち)

月明かりを写す　幽玄の　並木道

(ああのびいくそのさきの)

嗚呼　伸び行くその先の

(やみにうかぶのはせつなのしんきろう)

闇に浮かぶのは　刹那の蜃気楼

(ひらりひらりちるはなびらは)

ひらり　ひらり　散る花びらは

(ときにきらめきいままいあがれ)

刻に煌き　今　舞い上がれ

(ゆめのつづきはかなくきえてあとにのこるのははなふぶき)

夢の続き　儚く消えて　跡に残るのは　花吹雪

(かなでうたえこのせんりつを)

奏で　唄え　この旋律を

(あすにかがやけこのけしきよ)

明日に輝け　この景色よ

(しょかのかおりちりいくさくらみらいへはばたいて)

初夏の香り　散り行く桜　未来へ　翔いて

(ひらりひらりまうはなびらは)

ひらり　ひらり　舞う花びらは

(やみにひかりにいままいおどれ)

闇に　光に　今　舞い踊れ

(ときをきざみねんりんかさねみらいへとどけよはなふぶき)

時を刻み　年輪重ね　未来へ届けよ　花吹雪

(ひびけかなでこのせんりつを)

響け　奏で　この旋律を

(とわにとどろけこのこどうよ)

永久に　轟け　この鼓動よ

(はるがすぎてちりいくさだめさくらよさきほこれ)

春が過ぎて　散り行く定め　桜よ　咲き誇れ