死にたくない。Usagi 3

(しにたかったんだ)

死にたかったんだ。

(ほんとうはきづいてほしかった)

本当は気づいて欲しかった。

(おとなになったんだ)

大人になったんだ。

(それでもあいしてほしかった)

それでも愛して欲しかった。

(いつかのきずにふたをして)

いつかの傷に蓋をして

(あいそわらいがうまくなったぼくを)

愛想笑いが上手くなった僕を

(わらってくれよ)

嘲笑ってくれよ、

(はいけいあのころのぼくよ)

拝啓あの頃の僕よ。

(もうかなしくなんてないさ)

もう、悲しくなんてないさ

(いたみだけがここにまだのこったままで)

痛みだけがここにまだ残ったままで

(みたされないぼくだけが)

満たされない僕だけが

(きらいきらいきらいになって)

嫌い　嫌い　嫌いになって。

(しにたくなんてないさ)

「死にたくなんてないさ」

(こえになればすくわれたのかって)

声になれば救われたのかって

(ねぇおとなにかわってく)

ねぇ、大人に変わってく

(あおくなったぼくをわらってよ)

青くなった僕を笑ってよ。

(しにたかったんだ)

死にたかったんだ。

(えがおでつくろってたんだ)

笑顔で繕ってたんだ。

(おとなになったんだ)

大人になったんだ。

(それでもなにもいえなかった)

それでも何も癒えなかった。

(いきてていいとおもいたい)

生きてていいと思いたい。

(いちどだけでいいただあいされたい)

一度だけでいい、ただ愛されたい。

(こわれるほどだきしめてくれれば)

壊れるほど抱きしめてくれれば

(わらっていられたかな)

笑っていられたかな。

(もうかなしくなんてないさ)

もう、悲しくなんてないさ。

(なにもかもがきずあとでのこったままで)

何もかもが傷跡で残ったままで

(ふつうじゃないぼくなんか)

普通じゃない僕なんか

(きらいきらいきらいになって)

嫌い　嫌い　嫌いになって。

(しにたくなんてないさ)

「死にたくなんてないさ」

(こえになればすくわれたのかって)

声になれば救われたのかって

(ねぇおとなにかわってく)

ねぇ、大人に変わってく

(あおくなったぼくをわらってよ)

青くなった僕を笑ってよ

(いたみになれればぼくたちも)

痛みに慣れれば僕たちも

(おとなになれたのかって)

大人になれたのかって

(だれかがあいしてくれれば)

誰かが愛してくれれば

(なんてばかみたいだな)

なんて　馬鹿みたいだな。

(いつかぼくもおとなにかわって)

いつか　僕も大人に変わって

(ほかのだれかをすきになって)

他の誰かを好きになって

(ぼくもだれかをあいしてみたい)

僕も、誰かを愛してみたい。

(このまましにたくない)

このまま、死にたくない。

(もうかなしくなんてないさ)

もう、悲しくなんてないさ

(いたみだけがここにまだのこったままで)

痛みだけがここにまだ残ったままで

(みたされないぼくだけが)

満たされない僕だけが

(きらいきらいきらいになって)

嫌い　嫌い　嫌いになって

(しにたくなんてないさ)

「死にたくなんてないさ」

(こえになればすくわれたのかって)

声になれば救われたのかって

(ねぇおとなにかわってく)

ねぇ、大人に変わってく

(あおくなったぼくをわらってよ)

青くなった僕を笑ってよ