【意味怖】二名様 ＊概要欄に解説

(このまえともだちがうえいたーをしているれすとらんにひとりでいった)

この前、友達がウエイターをしているレストランに一人で行った。

(あんないされたてーぶるにすわる)

案内されたテーブルに座る。

(うえいとれすはおれのまえとむかいのせきにめにゅーをおいていった)

ウエイトレスは、俺の前と向かいの席にメニューを置いて行った。

(なんだとおもっているうちにともだちがみずとおしぼりをもってきた)

何だ？と思っているうちに、友達が水とおしぼりを持って来た。

(そしておいめずらしいななんてにやつきながらむかいのせきにもみずをおく)

そして「おい、珍しいな。」なんてニヤつきながら、向かいの席にも水を置く。

(いいかげんうすきみわるくかんじながらもちゅうもんすると)

いい加減薄気味悪く感じながらも注文すると、

(でおつれさんはなににするときくものだから)

「で、お連れさんは何にする？」と聞くものだから、

(さっきからなんだひとりだろとわらいながらはんろん)

「さっきから何だ？一人だろ。」と笑いながら反論。

(するとあれみせにきたときおんなづれじゃなかったかなどとこごえでいう)

すると「あれ、店に来た時、女連れじゃなかったか？」などと小声で言う。

(いわくかみのながいしろいわんぴーすのおんなをつれてはいってくるのをみたと)

曰く、髪の長い白いワンピースの女を連れて入って来るのを見た、と。

(てんないをみわたしてもそんなじょせいはいない)

店内を見渡しても、そんな女性はいない。

(いまいないしといれにでもいってるんだろうけどてっきりかのじょかとおもって)

「今いないしトイレにでも行ってるんだろうけど、てっきり彼女かと思って。」

(とともだちはいった)

と友達は言った。

(もちろんおれにはこころあたりがないのでひていした)

もちろん俺には心当たりがないので否定した。

(がぎゃくにむこうがきみわるいものをみるようなめでこちらをみるしまつ)

が、逆に向こうが 気味悪いものを見るような目でこちらを見る始末。

(とうとうなんだかさむけがしてきた)

とうとう何だか寒気がしてきた。

(ふいにともだちはふきだすといやわりーわりーとあやまりはじめた)

不意に友達は吹き出すと「いや、わりーわりー。」と謝り始めた。

(きょうはきゃくもすくなくてひましてるところにおまえがきたもんだからさ)

「今日は客も少なくて暇してるところにお前が来たもんだからさ。

(ほらよくあるじゃんだれもいないはずのせきにこっぷをおくてんいんってかいだん)

ほら、よくあるじゃん？誰もいないはずの席にコップを置く店員って怪談。

(あれでおまえをびびらせてあそぼうかとみずもっていくときにおもいついてさ)

あれでお前をビビらせて遊ぼうかと、水持って行く時に思いついてさ。」