【意味怖】シェアハウス *概要欄に解説
主人公の女は侵入者。
部屋に住む男にばれないように
天井裏で息をひそめて暮らしていた。
だから掃除も食事もばれないようにしていた。
最後は、部屋の中でくつろいでいたところを
部屋を見に来た不動産屋と遭遇して通報されてしまった。
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問題文
(わたしはいまふたりぐらしをしている)
私は今、二人暮らしをしている。
(といってもそのひととはべつにこいびとどうしでもなんでもない)
といっても、その人とは別に恋人同士でもなんでもない。
(おたがいにれんあいかんじょうをもっていない)
お互いに恋愛感情を持っていない。
(まあもたれてもこまってしまうんだけど)
まあ、持たれても困ってしまうんだけど。
(とにかくわたしがころがりこむようにしてふたりぐらしのせいかつがはじまった)
とにかく私が転がり込むようにして、二人暮らしの生活が始まった。
(わたしたちのせいかつはへいぼんそのものでまいにちがおなじようにすぎていく)
私たちの生活は平凡そのもので、毎日が同じように過ぎていく。
(あさ)
朝。
(6じにあらーむがなりはじめる)
6時にアラームが鳴り始める。
(もちろんそれはあいてがせっとしたあらーむだ)
もちろんそれは相手がセットしたアラームだ。
(かれのあさははやいのだ)
彼の朝は早いのだ。
(そのあらーむのおとでうえのへやのわたしのほうがさきにおきてしまう)
そのアラームの音で、上の部屋の私の方が先に起きてしまう。
(だがわたしがあらーむをけしたりかれをおこしたりなんてことはしない)
だが、私がアラームを消したり、彼を起こしたりなんてことはしない。
(それはるーるいはんだ)
それはルール違反だ。
(だからかれがおきてあらーむをけしてくれるのをまつしかない)
だから彼が起きてアラームを消してくれるのを待つしかない。
(ときどきかれがなかなかおきてくれなくていらいらするけどそこはがまん)
時々、彼がなかなか起きてくれなくて、イライラするけど、そこは我慢。
(わたしはもんくをいえるたちばではないのだ)
私は文句を言える立場ではないのだ。
(なぜならわたしはやちんをはらっていないから)
何故なら私は家賃を払っていないから。
(まあはらえないといったほうがただしいのだけど)
まあ、払えないと言ったほうが正しいのだけど。
(とにかくわたしはわがままをいえないのでがまんするところはしないといけない)
とにかく、私は我儘を言えないので、我慢するところはしないといけない。
(へやだってわたしのほうがずいぶんとせまい)
部屋だって、私のほうが随分と狭い。
(ひともよべないほど)
人も呼べないほど。
(よぶともだちなんていないけど)
・・・呼ぶ友達なんていないけど。
(かれがいえをでたらようやくわたしのじかん)
彼が家を出たら、ようやく私の時間。
(したへとおりてれびをつけそうじをはじめる)
下へと降り、テレビを付け、掃除を始める。
(あもちろんかるくだよ)
あ、もちろん軽くだよ。
(よくへやがきたないひとがいうでしょ)
よく、部屋が汚い人が言うでしょ。
(きたなくみえるけどそれはじぶんがつかいやすいようにはいちしてあるだけって)
汚く見えるけど、それは自分が使いやすいように配置してあるだけ、って。
(かれもそのたいぷみたいで)
彼もそのタイプみたいで。
(だからきづかないところやずっとそうじしていないところをじゅうてんてきにしていく)
だから気付かないところや、ずっと掃除していないところを重点的にしていく。
(いやこのまえはいすいこうまわりをみたときはびっくりした)
いや、この前、排水溝周りを見たときはびっくりした。
(いままでよくつまらなかったなってかんじ)
今までよく詰まらなかったな、って感じ。
(だからぴかぴかにしてあげたんだけどかれはきづかなかったようだ)
だからピカピカにしてあげたんだけど、彼は気づかなかったようだ。
(それがおわったらちょうしょく)
それが終わったら朝食。
(れいぞうこをあけてなかをみる)
冷蔵庫を開けて中を見る。
(それなりにものがはいっているけどかれはあまりりょうりをしない)
それなりに物が入っているけど、彼はあまり料理をしない。
(いやしごとがいそがしくてできないっていったほうがいいのかな)
いや、仕事が忙しくて出来ないって言ったほうがいいのかな。
(りょうりじたいはすきみたいでやすみのひにはしょくざいをかっている)
料理自体は好きみたいで、休みの日には食材を買っている。
(でもそれがつかわれることがあまりない)
でも、それが使われることがあまりない。
(ほとんどをくさらせてしまうしまつ)
ほとんどを腐らせてしまう始末。
(ほんとうはわたしがつくってあげればいいんだけど)
本当は私が作ってあげればいいんだけど・・・。
(そんなことをすればなにをいわれるかわからない)
そんなことをすれば、何を言われるかわからない。
(おとこからしたらすきでもないおんなにつくってもらうのはいやだよね)
男からしたら、好きでもない女に作ってもらうのは嫌だよね。
(ほんとうおとこってめんどうくさい)
本当、男って面倒くさい。
(ささっとちょうしょくをつくってたべてしょっきをあらってもとにもどす)
ササっと朝食を作って食べて、食器を洗って元に戻す。
(うんかんぺき)
うん、完璧。
(さてとそろそろでかけようかな)
さてと、そろそろ出かけようかな。
(わたしははたらいていないといってもにーとってわけではない)
私は働いていないと言っても、ニートってわけではない。
(ひやといのばいととかちょっとしたおてつだいなんかをしておかねをかせいでいる)
日雇いのバイトとか、ちょっとしたお手伝いなんかをしてお金を稼いでいる。
(まあじまんするほどのがくではないけど)
・・・まあ、自慢するほどの額ではないけど。
(そんなこんなできょうもいちにちへいおんにすぎていく)
そんなこんなで今日も一日、平穏に過ぎていく。
(このまいにちがずっとつづくのかなっておもっていたやさきのことだった)
この毎日がずっと続くのかなって思っていた矢先のことだった。
(そのへいおんはあっさりくずされることとなる)
その平穏はあっさり崩されることとなる。
(かれがひっこしをすることになったのだ)
彼が引っ越しをすることになったのだ。
(きゅうなてんきん)
急な転勤。
(いえじゃそんなこといってなかったのになあ)
家じゃ、そんなこと言ってなかったのになあ。
(なのでとつぜんかれとはおわかれすることになった)
なので突然、彼とはお別れすることになった。
(れんあいかんじょうをもっていなかったことがふこうちゅうのさいわい)
恋愛感情を持っていなかったことが、不幸中の幸い。
(とはいえさびしさはあるけどね)
とはいえ、寂しさはあるけどね。
(だけどかれはまったくそんなかんじはだしていない)
だけど彼はまったくそんな感じは出していない。
(まあとうぜんなんだけど)
まあ、当然なんだけど。
(かれがいなくなったへやのなかはかなりひろくかんじる)
彼がいなくなった部屋の中は、かなり広く感じる。
(なんかへやのぬしになったみたいでけっこううれしい)
なんか、部屋の主になったみたいで結構嬉しい。
(でもいまのままじゃちょっとふべんだなあ)
でも、今のままじゃ、ちょっと不便だなあ。
(なんてかんがえているときだった)
なんて考えている時だった。
(とつじょへやにひとがはいってきた)
突如、部屋に人が入ってきた。
(そしてわたしはけいさつにつかまった)
そして、私は警察に捕まった。