夏目漱石「こころ」3-97

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夏目漱石「こころ」3-97
下)先生と遺書
夏目漱石の「こころ」(下)でございます。
なるべく原文ママで問題を設定しておりますので、誤字なのか原文なのかややこしいとは思われますが最後までお付き合い下さい。

オリジナルの書き方・読み方については以下に載せますので、参考の程よろしくお願い致します。
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6:覚した(さました)
8:跟いて(ついて)
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 8342 8.4 98.7% 194.3 1642 21 31 2024/09/06
2 りつ 4376 C+ 4.5 95.5% 375.0 1721 80 31 2024/09/06

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問題文

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(われわれはしちじまえにおきるしゅうかんでした。)

我々は七時前に起きる習慣でした。

(がっこうははちじにはじまることがおおいので、それでないとじゅぎょうにまにあわないのです。)

学校は八時に始まる事が多いので、それでないと授業に間に合わないのです。

(げじょはそのかんけいでろくじごろにおきるわけになっていました。)

下女はその関係で六時頃に起きる訳になっていました。

(しかしそのひわたくしがげじょをおこしにいったのはまだろくじまえでした。)

然しその日私が下女を起しに行ったのはまだ六時前でした。

(するとおくさんがきょうはにちようだといってちゅういしてくれました。)

すると奥さんが今日は日曜だと云って注意してくれました。

(おくさんはわたくしのあしおとでめをさましたのです。)

奥さんは私の足音で眼を覚したのです。

(わたくしはおくさんにめがさめているなら、ちょっとわたくしのへやまできてくれとたのみました。)

私は奥さんに眼が覚めているなら、一寸私の室まで来てくれと頼みました。

(おくさんはねまきのうえへふだんぎのはおりをひっかけて、わたくしのあとについてきました。)

奥さんは寐巻の上へ不断着の羽織を引掛けて、私の後に跟いて来ました。

(わたくしはへやへはいるやいなや、いままであいていたしきりのふすまをすぐたてきりました。)

私は室へ這入るや否や、今まで開いていた仕切の襖をすぐ立て切りました。

(そうしておくさんにとんだことができたとこごえでつげました。)

そうして奥さんに飛んだ事が出来たと小声で告げました。

(おくさんはなんだとききました。)

奥さんは何だと聞きました。

(わたくしはあごでとなりのへやをさすようにして、「おどろいちゃいけません」といいました。)

私は顋で隣の室を指すようにして、『驚ろいちゃ不可ません』と云いました。

(おくさんはあおいかおをしました。)

奥さんは蒼い顔をしました。

(「おくさん、けいはじさつしました」とわたくしがまたいいました。)

『奥さん、Kは自殺しました』と私がまた云いました。

(おくさんはそこにいすくまったように、わたくしのかおをみてだまっていました。)

奥さんは其所に居竦まったように、私の顔を見て黙っていました。

(そのときわたくしはとつぜんおくさんのまえへてをついてあたまをさげました。)

その時私は突然奥さんの前へ手を突いて頭を下げました。

(「すみません。わたくしがわるかったのです。)

『済みません。私が悪かったのです。

(あなたにもおじょうさんにもすまないことになりました」)

あなたにも御嬢さんにも済まない事になりました』

(とあやまりました。)

と詫まりました。

(わたくしはおくさんとむかいあうまで、そんなことばをくちにするきはまるでなかったのです。)

私は奥さんと向い合うまで、そんな言葉を口にする気はまるでなかったのです。

など

(しかしおくさんのかおをみたときふいにわれともしらずそういってしまったのです。)

然し奥さんの顔を見た時不意に我とも知らずそう云ってしまったのです。

(けいにあやまることのできないわたくしは、)

Kに詫まる事の出来ない私は、

(こうしておくさんとおじょうさんにわびなければいられなくなったのだと)

こうして奥さんと御嬢さんに詫びなければいられなくなったのだと

(おもってください。)

思って下さい。

(つまりわたくしのしぜんがへいぜいのわたくしをだしぬいてふらふらとざんげのくちをひらかしたのです。)

つまり私の自然が平生の私を出し抜いてふらふらと懺悔の口を開かしたのです。

(おくさんがそんなふかいいみに、)

奥さんがそんな深い意味に、

(わたくしのことばをかいしゃくしなかったのはわたくしにとってさいわいでした。)

私の言葉を解釈しなかったのは私にとって幸でした。

(あおいかおをしながら、「ふりょのできごとならしかたがないじゃありませんか」と)

蒼い顔をしながら、『不慮の出来事なら仕方がないじゃありませんか』と

(なぐさめるようにいってくれました。)

慰めるように云ってくれました。

(しかしそのかおにはおどろきとおそれとが、)

然しその顔には驚ろきと怖れとが、

(ほりつけられたように、かたくきんにくをつかんでいました。)

彫り付けられたように、硬く筋肉を攫んでいました。

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