【意味怖】真夜中の事故 ＊概要欄に解説

(めのはしにひかりがみえたのであわててはんどるをきった)

目の端に光が見えたので、慌ててハンドルを切った。

(それはくるまのらいとだ)

それは車のライトだ。

(へっどらいとではなくあかのてんめつしたひかり)

ヘッドライトではなく、赤の点滅した光。

(はざーどらんぷだ)

ハザードランプだ。

(かんいっぱつぶつかることはまぬがれた)

間一髪、ぶつかることは免れた。

(はざーどらんぷがなければかんぜんにぶつかっていただろう)

ハザードランプがなければ、完全にぶつかっていただろう。

(つけていてくれてほんとうにたすかった)

付けていてくれて本当に助かった。

(そのくるまはどうやらがーどれーるにげきとつしたようで)

その車は、どうやらガードレールに激突したようで、

(くるまのこうぶがどうろにとびだしているじょうたいだった)

車の後部が道路に飛び出している状態だった。

(つまりほぼまよこをむいている)

つまりほぼ、真横を向いている。

(ていしゃしてちらりとそのくるまのほうをみる)

停車して、チラリとその車のほうを見る。

(ほんとうはそのままつうかしたいきもちだった)

本当はそのまま通過したい気持ちだった。

(だがじこをおこしたひともこんなばしょにひとりでこころぼそいだろうとおもい)

だが、事故を起こした人も、こんな場所に一人で心細いだろうと思い、

(くるまのほうへむかった)

車のほうへ向かった。

(そしてすぐにいわかんをおぼえる)

そして、すぐに違和感を覚える。

(くるまのちかくにだれもひとがたっていないのだ)

車の近くに誰も人が立っていないのだ。

(おかしいとおもいくるまのなかをのぞきみる)

おかしいと思い、車の中を覗き見る。

(するとうんてんせきにはあたまからちをながしたおとこがまえのめりになっていて)

すると、運転席には頭から血を流した男が前のめりになっていて、

(ぴくりともうごかない)

ピクリとも動かない。

(すでにじぶんでつうほうしたのかもしれないがねんのためおれもけいさつときゅうきゅうにつうほう)

既に自分で通報したのかもしれないが、念の為、俺も警察と救急に通報。

(１じかんほどたったころようやくけいさつときゅうきゅうがとうちゃくする)

1時間程経った頃、ようやく警察と救急が到着する。

(おれもいろいろとはなしをきかれてめんどうくさいことになった)

俺もいろいろと話を聞かれて、面倒くさいことになった。

(やっぱりあのままつうかすればよかったともおもったが)

やっぱりあのまま通過すればよかったとも思ったが、

(どうやらじこをおこしたうんてんしゅはつうほうしていなかったらしい)

どうやら事故を起こした運転手は、通報していなかったらしい。

(おれがつうほうしなければはっけんはあさになっていただろう)

俺が通報しなければ、発見は朝になっていただろう。

(しかもうんてんしゅはつうほうもむなしくなくなってしまった)

しかも、運転手は通報も虚しく、亡くなってしまった。

(というよりけいさつのひとのはなしではじこをおこしたときにそくしだったらしい)

というより、警察の人の話では、事故を起こした時に、即死だったらしい。

(あれ)

・・・あれ？

(ちょっとまってくれ)

ちょっと待ってくれ。

(それだとおかしくないか)

それだと、おかしくないか？